4. ニニウ食
18時30分からは鬼峠交流会が始まった。占冠の食材をふんだんに使った郷土の食事を囲んでの交流会で,これを楽しみに参加したという方も多いことだろう。
今年は観光協会のKさんが,昔ニニウに住んでいた人たちにヒアリングして,ニニウ食メニューを考えてくださった。交流会の冒頭でKさんからメニューについての説明があった。
<ニニウ食> いなきびとかぼちゃの粥 |
<ニニウ食> 白米そば団子とそば団子の汁 |
<ニニウ食> フキとやまべの煮付 |
ニニウでは,白い八列とうもろこし(八もろこし)を石臼で挽いてふるい,米粒大のものを拾い上げて,それを米の変わりに炊いて食べていたのだという。これがニニウの代表的な主食だったらしい。ドラマ「鬼峠」で主人公の家の玄関にたくさんぶら下がっているのも八列とうもろこしだという。
ただ,白い八もろこしは入手不可能のため,今回は代用食の一つ,「いなきびとかぼちゃの粥」が再現された。かなり粘り気はあるがあっさりした風味だった。今はいなきびも外国産になってしまい,昔の代用食が今では高級食になってしまった。
それから蕎麦をよく食べていたということで,「白米そば団子とそば団子の汁」が再現された。白米は正月くらいしか食べられなかったそうだが,雑煮をするときには,白米にそば粉を入れて団子にし,汁に入れたという。寸胴鍋の下に沈んでいるのが米の入っている団子,浮いていて平べったいのがそば100%の団子だという。
おかずには山菜やサクラマスなどの川魚を煮付けて食べたという。サクラマスは昨年久々に占冠まで遡上したが,獲ると密漁になるため,村で養殖しているやまべとフキの煮付けが作られた。このやまべは骨も全部丸ごと食べられて大好評だった。
こういう料理を試作もせずにいきなり作ってしまうのだから神業である。
ほかにも名物料理の数々。左の写真は山菜市プロジェクトで密かに開発中という「よもぎ餃子」で,生地には占冠のよもぎが練り込まれている。具にもフキが入って占冠らしさを出している。
右の写真は森のかりうどTさんの日本一おいしい鹿肉で作ったカツ。
参加者が持ち寄った料理も素晴らしい。
Kさんから料理の紹介が終わると,観音元村長がおもむろにマイクを握って「これはそうとうキツイですから全員で食べていってください」と,アイヌネギの濃厚な瓶詰めを紹介された。
バイキング方式で,好きなだけ取っていく。取り皿も木製のものなどあって凝っていた。
恒例よって,最遠方から参加の井手口さんの音頭で乾杯。
ニニウ御膳。
地元の参加者と村外からの参加者との間で話も弾み,充実した時間を過ごした。20時17分からはドラマ「鬼峠」を上映した。