4. 交流会
18:45〜 交流会
体育館にはゴザとテーブルが用意され,手際よく交流会の準備が進められた。あまりの手際の良さに,我々都会からの参加者は唖然として見ているしかなかった。
みなにお酒がつがれ,乾杯の挨拶には,最遠方の滋賀県から参加していただいた牡丹灯籠さんが指名された。突然のことで気の毒だったが,そつなく挨拶をまとめていただいて,交流会が始まった。
私は元村長の観音さんや村議の長谷川さん,歯科診療所のK先生の近くに座らせていただき,いろいろ貴重なお話を伺うことができたのは光栄の至りだった。
交流会は「持込大歓迎」ということで,村の奥様方が素晴らしく手の込んだ料理を持ち寄ってくれた。それぞれ料理の名前と提供者の名前が書かれた札が貼ってあった。私は話しに忙しくてあまり食べられなかったのが残念だったが,本当に素晴らしい料理だった。
本日のメインディッシュは,「えぞ鹿の日本酒しゃぶしゃぶ」。森のかりうどTさんが撃ってきた,北海道でいちばんおいしい鹿だという。
盛り上がる食卓。
道外からの参加者が占冠20時23分発のスーパーとかち12号で帰るということで,外に出て見送った。札幌のごんすけさんと旭川の典宏さんの車に分乗してそれぞれ駅へ向かった。ドラマ「鬼峠」のラストシーンでは,主人公・鉄夫がニニウを捨てて札幌の恋人のもとへ行こうとする。しかし,占冠駅で列車に乗ったとき一軒家の明かりが目に入り,やはり故郷を捨て切れずに列車を降りてしまう。みんなそのシーンを見た直後だっただけに,列車に乗るときは感慨深いものがあったという。
20時30分一次会終了。写真は玄関でガンビさんのお母さんが,観音元村長とニニウにいたとき隣に住んでいたAさんから声をかけられているところ。観音さんは「(ガンビさんの)爺ちゃんは本当に堅い,間違ったことは絶対にしない人だった」と昔を思い出したご様子。様々な記憶が蘇ってきた交流会だった。
●21:00〜 二次会
厨房に隣接する研修室に場所を移して二次会が始まった。
森のかりうどTさんが撃った鹿肉の缶詰。味噌煮,大和煮,カレー煮の3種類が占冠山村産業振興公社から販売されている。ラベルのデザインは山本さんが手がけており,猟師のシルエットはTさんご自身だという。このような商品がすべて自前でできてしまう占冠村はすごい。
0時20分,札幌から参加のごんすけさんが帰られることに。玄関先にはなぜか大量の花火が用意されており,観光協会のKさんはそれらをすべて打ち上げてごんすけさんを見送った。若干意味不明ながらも忘れられぬ光景である。
●宿舎にて
0時40分,宿舎に入る。敷地内に旧教員住宅を利用した宿泊棟が4棟あり,今日は3棟に別れて泊まる。寒さは覚悟していたが,ストーブを炊くと暑いくらいだった。酷寒の村だけあって,それなりの寒さ対策はできているのである。トイレも水洗で凍結防止装置が付いており,風呂もユニットバスで蛇口をひねるとお湯が出てきた。こんな立派な家なら一生住んでも良いと思った。
この棟には,札幌のhamaさん,本別のHさん,足寄の千春の家さんと4人で泊まった。
宿舎に入ってからHさん,千春の家さんとしばらく歓談した。Hさんは「心に刻もう!ふるさと銀河線の会」の事務局長として,昨年の今頃は大変な活躍をされていた。千春の家さんともども,恐らくふるさと銀河線に対して最も強い思い入れを持つお二人であり,1時間あまりに渡って,廃止前後のエピソードを直接聞けたのは,非常に貴重なことであった。