[北海観光節]
小さな旅行記 2003.6.8
10時48分,標茶町久著呂中央小中学校到着。ここは標茶町にあるが,鶴居村に接しており,児童生徒の大半が鶴居村から来ているのだと聞いたことがある。校舎が非常に立派だった。
既に点数が入っており,紅白接戦である。
低学年の児童がお遊戯をしていた。
運動会というよりは学芸会の風景である。この学校は校舎も良いが,スピーカーも良くて,重低音が冴えるクリアなサウンドを聴かせていた。
ついに登場,小さな学校ならではの地域住民参加の競技。人数が集まらないようで,「オンナタンナイ,あと3人!」,我は観戦と決め込んでいたおばさんも「オイ,レーコ,ナステンダー,早く早く」とせかされて腰を上げる。その後さらに「あと男性5人お願いします」と私も危うく駆り出されそうになったので,そっと木陰に引っ込む。
競技は「助けあい」という久著呂中央名物の種目で,グランドの両側からスタートした選手が途中でカードを拾い,出会ったところでそれぞれ同じ番号の人を見つけ出し,二人三脚を組むというものだ。
運命の出会いをし,足を結ぶところ。
グランド中央へ向けて走る。
ゴール。「あそこでヒッコロブからよー」などと盛り上がっていた。
11時51分,鶴居村久著呂小学校に到着。
ここでは老人によるゲートボールが行われていた。小学校の運動会とは思えない光景。
その間の子供たち。ゲートボールにはまったく関心がないのか,あるいはこれからの種目の作戦に余念がないのか,グランドに背を向けていた。
競技を終えて賞品を受け取る老人たち。
この学校ではプログラムをもらうことができた。それによると,児童は7名。1,2年生がいないのが寂しい。種目は23あり,出場者は「全校」「他校生」「保育園」「幼児」「老人」「一般」「女性」「来賓」「役員・先生」などで,まさに地域全員参加の運動会だ。
午後からは,鶴居音頭,さらに終盤にはリレーが立て続けに4種目もあり,見たかった。
やや赤優勢。
観客は木の下に陣取る。この規模の学校なら席取りの心配はまったく要らない。
全校児童+αによる玉入れ。
11時47分,標茶町沼幌小学校到着。この学校は場所がわからなかったが,こんなところに学校がと思うようなところにあった。
きつねさん,タンチョウさん,牛さん,鹿さん,ネズミさん,この地区らしい看板。やっぱり牛さんが主役で,真ん中にいる。
白かなり優勢。
午前中の種目がちょうど終わったところで,雨が降り出した。「体育館でストーブを焚いてますので中へお入りください」とのアナウンスがあり,みな弁当を持って移動する。
これで今日の運動会巡りは終わり。
恐らく,昼からは踊りが行われるだろう。駒踊りや神楽など,各地区に伝わる消滅寸前の伝統芸能も見られるかもしれない。しかし,もう釧路に戻らなければならないのだ。
なぜかというと,1時半から釧路で丸山さんの講演会があるのだ。
丸山浩路さんのことは,私も手話をやっていたのでよく知っているが,講演会は一度聞きたいと思っていた。
これは良かった。運動会を切り上げて聞きに来た価値があった。聞く前から面白いだろうとは思っていたが,面白いだけではなく,泣かせられた。ハンカチを用意しておいてよかった。
運動会に涙,講演会に涙,今日は感激の日曜日になった。
[北海観光節]