[北海観光節]
小さな旅行記 2003.6.14
初めての離島訪問として礼文島を訪れたのは,昨年の6月1日(旅行記礼文路・利尻路参照)。礼文のSさんとは「また来るよ」と言って別れたものの,本当また来ることになるとは思ってもみなかった。
6月10日(火),店の食堂で同僚のS'氏に会った。今週末礼文に行くという。
「いっかい?」
「いくわ」
ほんの数秒で話はまとまった。S'氏と私は釧路から別経路で稚内へ向かうため,稚内駅で待ち合わせることにした。
「おはようございましたぁ〜」
無事稚内駅にてS'氏と落ち合う。
8時15分,香深港到着。船は座る場所もないくらいの満員だった。しかし今年は桃岩ユースホステルが休業中のため派手なお迎えはなく,乗客も若い人が少なかった。
礼文のSさんと釧路のS'氏。会えばすぐにけんかが始まる仲である。Sさんはこの6月で転勤となるため今回の訪問となった。
待合コーナーにあったテレビジョン。懐かしいチャンネル式である。
昨年の訪問時には建設中だったセイコーマート。このコンビニによって既存の商店は壊滅的打撃を受けるのではないかと心配したが,そうでもなさそうだ。離島では定価販売のコンビニが最も安いといわれるが,カップラーメンなどは他の店のほうが安かった。
昨年写真に撮り逃した知床バス停。
Sさんは去年にも増して島の人と顔見知りになっていた。商売柄特に高齢者層に強く,あの人は○○のシゲさんだ,かの人は△△の亀松さんだとか会う人会う人紹介してくれる。S'氏も「おれはこの島では勤まらんな」とSさんに感心する。
若い2人は石段を駆け上がる。 | そしてまたけんかが始まる。 | 神主さんはこれから祭りに向かうところ。 |
SさんとS'氏と私
今日は礼文花まつりである。祭りの開幕までまだ30分あったので,元地まで行ってみる。
まつりでご馳走を食べられることはわかっていたが,うに丼の看板を見てS'氏が我慢できなくなり,この食堂で軽食をとった。
S'氏のうに丼,1000円。 | 私はいももち,100円。 | ほっけスティックは3本で100円。 |
元地はだれがこんなところに来るだろうかというような寂しいところにあるが,それにもかかわらず売店が何店か営業している。帰り際に観光バスが何台もやって来た。ここは団体客によって支えられているのだ。昆布売りのおばさんも一見寡黙に見えるが,いったんしゃべりだすとさすがは商売人で,口車に乗せられてお土産に根昆布を買った。
礼文太鼓。写真はアツモリ太鼓を披露しているところ。
浜鍋は無料。 | うに雑炊は200円だが,ご飯がなくなったので100円。安い。 |
カレイのつかみ取り。
S'氏も飛び入りで参加。見事にカレイを捕らえたが,この後,捕まえたカレイの始末に悩むことに。
うにの早食い。生きたうにを割って食べるのは初めての人には難しそうだ。うに1つと大きなおにぎりを食べきらなければならない。
礼文花まつりは,これから本格的な観光シーズンが始まるにあたり,観光客の安全を祈願することが目的である。厳島神社の神主さんによる安全祈願の儀式を見れなかったことと,ほっけのちゃんちゃん焼きが売れ切れで食べられなかったことが悔やまれる。
12時30分,ドライブ再開。
Sさん「礼文のゴミ処理場見たいですか」
私「見たい!見たい!」
Sさんもなかなか良いところへ案内してくれる。
ゴミ処理場 |
ゴミ処理場の上にあった香深アクアプラント。下水処理場であろうか。 |
北電の礼文発電所。 |
レミコン工場も自前で持っている。 |
緑ヶ丘公園キャンプ場。礼文では珍しく森に囲まれている。
エリア峠からの眺め。昨年は工事で通行止めだった。船泊市街の手前に久種湖があり,海の向こうにトド島が浮かんでいる。
昼食は地味に船泊の双葉食堂で。14時近くだったのに,店内は大賑わいだった。Sさんおすすめの中華丼を頼む。750円。つぶ貝が入っていてなかなか良かったと思う。違うものを頼んだのにぴったり同じ時間に出てきたのも粋である。S'氏はラーメンを頼んでいたが,「ラーメン」と頼んだのに醤油じゃなくて塩ラーメンが出てきたのに驚いていた。
最近できた礼文島初のパン屋。どさんこワイドにも出たことがあるらしい。しかし,なぜか常時売り切れ状態であり,私がのぞいた時もパンがいくつもなかった。
今日はSさんとS'氏のおまかせコースでお願いしているが,私の希望で鉄府と鮑古丹に行ってもらった。
鉄府全景。奥地であるが意外と大きな漁村だった。ここは4時間コースと8時間コースの通過点にもなっている。
レブンアツモリソウは今年も咲いていた。盛りは過ぎており,散策路も6月16日を持って閉鎖するとのこと。
今日は天気がいまいち。しかし"花と雨"と言って,花を見るならどんよりした天気のほうが良い。今日は絶好の花日和なのだが,S'氏がまったく花に興味がないため,花の名所はほとんど通過した。
車で行けるところとしては礼文の最奥地と思われる。番屋風の建物が何軒かあり,ひっそりとした集落だった。しかし人が住んでいる気配はしなかった。礼文島の西海岸にはこのほかに召国や宇遠内など車道の通じていない集落がある。
民宿スコトン岬は改装されていた。
前回,礼文で最も感動したのがこの中島商店だった。今回も訪れてみてあらためて感動した。本当に何でも売っている。文具も売っていて,絵の具のばら売りなんかもあった。おもちゃはレジの周辺に陳列されているが,高いところに並べられているプラモデルは店の人の趣味ではないかと思う。ペットは噂によればうさぎ,金魚,インコなどを扱っているとのことであるが,今回も発見できなかった。
時刻は16時をまわったところ。あとは香深に戻るだけである。
SさんとS'氏はまた石段を駆け上がる。 |
境内からは船泊市街を一望にできた。礼文は神社が多いが,禮文神社は旧船泊村の村社,厳島神社が旧香深村の村社にあたるのだろう。 |
香深の中島商店。浜中の中島商店とは別物で,フェリーターミナル前の中島商店の系列のようである。ここで弁当を買おうと思ったのだが売っていなかった。去年は売っていたのに,やはりセイコーマートの影響だろうか,気がかりだ。
最後にBOOK愛ランドれぶんに寄ってみた。町営の本屋さんで図書館とつながっている。本屋さんには新しい本が整然と並んでおり,人口3000人台の町の本屋にしては異常に充実していた(人口3000台の町には普通本屋はないのだが)。
S'氏はSさん宅に1泊するが,私は所用のため先に島を発つ。
「お世話になりましたぁ」
「どちらえか,どうもありがとうございました」
「まあ,お互い元気であればまたどこかで会うでしょう」
礼文君さよなら,さよなら礼文君,また会う日まで。
[北海観光節]