まず温泉にと思ったが,宿の脇から延びていた怪しげな歩道が気になったので,とりあえず登ってみる。
カタクリの群生がすごい。
これは絶景だ。山裾を流れるのは天塩川。
からくり水車。
温泉もお湯としてはあまり恵まれていないが,浴場の雰囲気は本物である。わたしも玉川温泉,乳頭温泉,恐山温泉など,世間的には一流といわれる温泉をかなりの数体験してきたが,どれも温泉としては特殊な部類に入り,いわゆる温泉のイメージとはかけ離れたいた。今日,日向温泉を訪れ,やっと自分が思い描いていた本物の温泉に出会えたような気がした。
湯殿から上がると,ロビーが騒然としていた。テレビではちょうど白鵬と雅山の優勝決定戦が始まるところだった。熱戦の末,白鵬が雅山を寄り切ると,一瞬みなため息をついたが,すぐに「よくやった,頑張った」「親元離れて遠い国から来たんだもの」と,これまでの努力をねぎらう声に変わった。年輩の人がたは皆優しい。
先ほどのバスの折り返し便に乗車。
多寄で下車。どういう事情か知らないが,日向温泉で乗降する客はバス運賃が無料ということになっている。しかし,はっきりと案内されているわけでもなく,整理券や運賃表示板も通常通りなので,とりあえず額面通りの運賃を支払って降りる。
多き舎というドライブインで夕食とする。豚しょうが焼き定食,1260円。
そういえば,ホームページ草創期に大変お世話になった多寄出身の彼はいまどうしているのだろうか。
稚内始発の普通列車。台車とエンジンが交換されており,ガタガタブルブルと豪快な走りっぷりが特徴だったキハ54が,滑るように走るのには違和感を持った。
この3月改正で増発された20時30分発のライラックでゆったりと札幌に帰る。
旅行記終了