後藤純男美術館
観光バスがひっきりなしに行き交う後藤純男美術館。向かいの畑には豆を積んだニオが並んでいた。観光客に見せるために作ったわけではないだろうが,農家の生活そのものが美しい風景を作っている。
後藤純男美術館のレストランは,窓からの眺めの良さでは富良野沿線でも1番か2番である。サガリカレー1100円を昼御飯とする。
16km道路
後藤純男美術館の前から富良野市街まで一直線に舗装道路がのびる。
これから11月にかけては,どこを歩いても美しい風景に出会える。秋に富良野に来て何を見ればよいのかと聞いてくる人がよくいるが,何を見るなどということをわざわざ考えなくても,秋はすべてが美しいのである。
後藤純男美術館バス停から十勝岳温泉行きの町営バスに乗る。十勝岳線は町営バスで唯一観光客が乗る花形路線で,従来は登山バス仕様の大型バスが充当されていた。ところが現在では哀れなマイクロバス置き換えられている。
怪しい道を下って道道に合流する。
道路拡幅工事中の旭野を通過。
山加(やまか)バス停を最後に人家は途絶え,木のトンネルの中を緩やかなカーブを描いて徐々に登る。
吹上旧道が分岐する中茶屋。
中茶屋から急に勾配がきつくなる。毎年9月23日には十勝岳温泉紅葉まつりが開催されている。20年ほど前には富良野線も5両編成の列車が当たり前に走っており,旭川からの列車が到着すると,紅葉狩りの客がどっと下車した。駅前では役場のバスが4,5台待っており,紅葉狩りの人達はバスに乗り換えて十勝岳温泉に向かった。
普段十勝岳線に使われている「りんどう」号は難なく坂を上ったが,中にはかなり難儀していたバスもあった。この先の急勾配区間ではバスがバスを追い抜くというような光景も見られたが,それも昔のこと。自家用車で登る人も途中で力尽きて,路肩でボンネットを開けてエンジンを冷やしている車がずらりと並んだというが,それももう過去のことである。
バスは翁(おきな)温泉の手前で左折し,吹上温泉に立ち寄る。
翁温泉と望岳台を結ぶ道道を十勝岳スカイラインという。昭和50年代に入ってから開通し,長らく未舗装だったが,近年全面舗装となった。
吹上保養センター白銀荘到着。