東京旅行記

神田古書店街


中央線は一本道なのでわかりやすいが,電車の色によって停まる駅が決まっているらしく,慣れていない人間にとっては大変だ。

"四谷赤坂麹町,チャラチャラ流れる御茶ノ水,粋な姐ちゃん立ちションベン"

寅さんの口上である。私の中での東京のイメージは,こうした口上や演歌の歌詞からできあがっているようだ。
今回はとりあえず聞いたことのある地名を訪れよう思っている。
御茶ノ水駅から神田まではたいした距離ではないので歩いていく。


"神田鍛冶町角の乾物屋で買ったかち栗固くて噛めない返して帰ろう"

大学の講義の宿題で早口言葉を調べていて知った一節である。

さて,神田の書店を訪れるのは,高校の修学旅行以来の念願である。念願を達成すべく大学4年のときに山手線の神田駅に降り立ったのだが,周りを見渡しても書店はない。タウンページをめくって見ると,そこは神田鍛冶町であって,書店があるのは神田神保町だということがわかった。それであせって地下鉄で神保町駅まで行ってみたのだが,本屋は全部閉店していた。時刻は夜の8時ごろである。東京は夜のない街といわれるので,本屋も夜中までやっているものだと思ったのだが,札幌よりも店じまいが早いことに驚いた。

そうして,今回は3度目の正直で神田書店街の訪問を果たしたのである。

古書店は店によって得意のジャンルが異なるようだが,どの店にどんな本があるのか,下調べもしてこなかったのでわからない。日曜なので休んでいる店も多い。とりあえず開いている店は全部覗いてみる。
私が望んでいた,北海道関係や鉄道,地図関係の本はあまり見つからなかった。

 
せっかくなので道内関係の本を2冊買った。左の『北海道駅名の起源』は昭和37年版で1000円,右の『日本案内記北海道篇』は昭和11年の本で2500円。
全般的に本の値段が札幌よりも安いと感じた。それと,北海道関係の本を買うなら,わざわざ神田まで来るまでもなく,札幌の古書店を探したほうが良いのではないかと思った。


憧れの書泉グランデ。鉄道関係の本に強いことで知られ,最上階の鉄道コーナーだけ異常に人が多いのが印象的だった。鉄道書は良く揃えられているが,きちんと新刊のときに買っておけば,札幌の旭屋書店あたりでもことは足りるのではないかと思った。

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