礼文路

元地小

あっ,忘れた!
と思って,Sさんにお願いして元地に引き返してもらった。今日はSさんにコースをおまかせしているが,一つだけこだわりたいことがあった。事前に礼文の地図を見ていて気になったこと,それは学校がやたらと多いということだった。
「あのー,今日は一つだけお願いしていいですか。学校に寄ってもらえませんか」
Sさんは快く了解してくれた。

元地小学校

へき地4級,児童11人,教員5人 (平成11年度のデータ,以下同じ)

崖にへばりつくように建つ校舎。鉄筋コンクリートの立派な建物だが,造りが変わっている。一階が教室,2階が屋内体育館らしい。そして屋上にはプール・・・,これは違うようだ。グランドは一段上にあるが,遊具などもなく使用されていない様子。体育の授業はどうしているのだろうか。ここに立つと小学校なのに何か息が詰まるような閉塞感を覚えた。私は学校は平地にあるのがあたりまえだと思っていたから,この学校は印象的だった。


これが元地小学校の全校区。ここから11人もの児童が通っているのは意外だ。

礼文小学校

へき地4級,児童75人,教員11人


礼文島最大の小学校,略称・礼小(れいしょう)。歴史も礼文でいちばん古く,明治22年開校。いちおう各学年1学級あり,この程度の規模なら授業も普通の形式で行えるだろう。校舎を見ていてもいかにも小学校という感じがして落ち着く。

香深中学校

へき地4級,生徒69人,教員12人


礼文小のすぐ隣にある。礼文島に2つある中学校のうちの1つ。ここを卒業するとみんな島を離れていってしまうのだろうか。

へき地学校について(その1)

□□□小さな学校への憧れ□□□
私にとって小さな小学校は未知の世界である。私自身は幼稚園も,小学校,中学校も大きなところで過ごした。しかし同じ町内には1学年1人いるかいないかという小さな学校があった。私はそういう学校に通う人たちを尊敬していた。例えば陸上競技会である。年に1度町内の学校の児童が集まって陸上競技を行うのだが,私の学校では予選を勝ち抜いた一部の選手しか出場できなかった。しかし,小さな学校の同級生は1人で全部の種目に出るのである。あるいは町の作文集にしてもそうである。大きな学校の子供は小・中の9年間で1度でも掲載されれば大したものなのだが,小さな学校は毎年掲載される。小さな学校に通う人は勉強もできて運動もできるという,そんなイメージを持っていた。(その2へつづく)

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