三陸初日の出の旅

帰路


盛岡17時50分発大館行き普通列車。

最大限盛岡に遅くまでいようと思えば19時18分までいれる。この場合東北本線経由となる。盛岡の発車時間を早めてまで花輪線に乗りたいのは,花輪線の車両がボックスシートだからである。旅はやっぱりボックスシートでなくてはいけない。


花輪線のキハ58

丁寧な車掌さんだった。いわてホリデーパスを見せて,東大館−中小国間のきっぷを求めたが,機械の電池が切れたといって行ってしまった。そのあとしばらく来なかったので雲隠れしてしまったのかと思ったが,ややしばらしくてやって来て,
車掌「どうも機械の調子が悪いんだよね〜。電池があるのにアクが出るんだよね〜。今日はどちらまで行きなさるの?」
わたし「札幌までです。はまなすに乗って」
車掌「大館で降りて,弘前でまた乗り換えて。はい,東大館から大館,弘前,青森経由,中小国までの乗車券,2210円になります」

大館では2分の接続で20時43分発弘崎行き普通列車に乗車。2分とは忙しいが,列車は同じホームの向かい側に停まっていて,花輪線の列車が遅れても接続待ちしてくれることを以前確認している。仮に接続とならなくても,後続の特急いなほに乗れば青森で追いつく。北海道に帰れなくなると困るので,この辺のプランは慎重に立ててある。

キハ58 キハ52
運良く弘崎行き普通列車も気動車だった。先頭がキハ52,2両目がキハ58。古いほうのキハ52に乗る。

 

キハ52はキハ22のエンジン2機付きタイプである。エンジンが換装されているものの,このあたりではバリバリ現役だ。
暖房が弱いためか,ビニルテープで窓が目張りされている。また冬期はドアが手動となる。北海道の列車はすべて自動で開閉するので,初めて乗ったときは驚いた。

21時34分弘前着。


弘前までは何事も無かったのに,駅には不穏な張り紙が。

駅員に尋ねても,列車がいつ来るかわからないという。
「急行はまなすに乗る予定でいますので,よろしくお願いします。」
「わかりました,放送で状況をお知らせします」
というので待合室で待つ。

その後すぐ,
「現在,青森駅からの普通列車が出発しております。この列車が当駅に到着後,折り返し青森行きの普通列車となります。この列車が青森駅にいちばん早く着く列車になります。なお,この列車は青森駅から急行はまなすに接続します。」
と放送が入った。とりあえず安心した。なかなか早い対応だ。

しかししばらくすると,秋田から来る特急いなほ9号がいちばん早く青森に到着する列車だと放送があった。弘前から青森までの自由席特急券は630円だからそれくらいは払ってもかまわない。ただもしかしたら便宜乗車の措置が取られるかもしれないので,特急券を買うのは待っておいた。

その後
「急行はまなすにご乗車されるお客様は改札口までお越しください」
と呼び出しがかかった。

行ってみると,指定券の提示を求められ,「普通列車で行く予定でしたか」と聞かれたので「ハイ」と答えると,下の紙切れをもらえた。

普通列車がはまなす号に接続しないため,特急に特急料金なしで乗せてもらえるというのである。これはありがたい。ただあらかじめいなほに乗る予定でいた人たちは特急料金の払い戻しはない。いなほに乗る場合は乗り継ぎ割引ではまなすの料金がもともと半額になっているので,差し引き変わらないのだという。ごもっともだが,呼び出されてただ返される人たちは少しかわいそうだった。

その後さらに,秋田から来る普通列車がいちばん早く着くということになり,上の「業務連絡書」は幻となった。
ただ,状況が二転三転しながらも先手先手を打った駅の対応は素晴らしかったと思う。奥羽本線はしょっちゅう遅れるので慣れっこなのかもしれないが。


22時29分,本来20時2分発車予定の普通列車が到着。約2時間半遅れ。


青森23時8分発の急行はまなすに乗り換え。カーペットカーは取れずドリームカーに。

急行はまなすの余命ももういくらもないので,乗り換えの風景など写真に収めておこうと思ったが,列車の遅れのためかなわなかった。結局,後続のいなほ9号の到着を待って発車。


青森−札幌間の乗車券の内訳。

北海道フリーきっぷでも同じことだが,乗車券部分は中小国から有効で,指定券は道内で最初に停車する駅まで別に購入しなければならない。他の規定と矛盾しているように思われる部分や,時刻表の記述にあいまいな部分もあり,かなり複雑である。駅員さんでも理解している人は少ないと思われ,指定券を出してもらうのに説明が大変だった。

今回の旅行は「新春得割きっぷ」のおかげで実現したといってもよい。2日間有効のうち実質1日しか使っていないが,中小国→札幌→釧路→上富良野と移動して10000円は安い。

6時18分,遅れを取り戻し定刻で札幌到着。

7時5分,釧路行きスーパーおおぞら1号に乗車。


オサワ信号場付近。きりりと引き締まった冬景色はさすが北海道。


10時52分釧路駅到着。釧路は今日も快晴だった。

この後いったん寮に戻って,16時13分発スーパーおおぞら10号で上富良野の実家に帰省した。

旅行記終了,おつかれさまでした

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