平泉駅へ戻る。名残を惜しんでキヨスクのお土産を眺めていると,キヨスクのおばさんに勧められて漬物や南部煎餅を買ってしまった。
これでいよいよ本州の汽車旅ともお別れである。
花巻空港駅着。写真右手に茫然として駅名板を眺めている青年が見える。このあとわたしは彼に「花巻空港へはどう行ったらいいのですか?」と聞かれた。とりあえず「歩いて30分ぐらいで着きます」と答えておいた。
そうなのだ。花巻空港駅とはいっても空港から随分離れているのだ。それでも昨年の元旦,鹿児島空港の手前で渋滞に遭ってひやひやした経験があったので,今年はいちばん確実な鉄道+徒歩でアクセスすることにしたのだ。
まず駅前の道をまっすぐ進む。
しかしわたしも甘く見ていた。とりあえず駅に降りれば光で空港の場所がわかるだろうと思って,場所をよく調べてこなかった。結局空港に着くまで人に2回道を尋ねなければならなかった。
約25分歩いて空港ターミナルに到着。
小さい空港だがいちおうお土産屋があった。写真にはさっきのリュックの青年が写っている。結局彼はタクシーで来たらしい。
しかし出発時刻が迫っており,ゆっくりと見てはおられない。
待合室のテレビ。なんとうめ吉さんではないか。この人がテレビで歌っているのを初めて見た。
三味線の弾き語りで"おてもやん","木更津甚句","梅は咲いたか","きんらい節"をメドレーで,そしてステージががらりと変って稲妻オーケストラの伴奏で"三味線ブキウギ"を自らも踊りながら4番までフルコーラスで歌い上げた。
素晴らしい。これは元旦から縁起の良いものを見た。
二三吉さん,市丸さん,勝太郎さん,小梅さん,こうした人たちの艶のある芸を,現在一手に受け継いでいるのがうめ吉さんである。これを機に大ヒットしてほしいものである。
結局,パンなどは買えず,最後にまた飢餓旅行になってしまった。
新千歳空港にて
機体は2列+3列シートの立派なものだった。空席はかなりあり。ずうっとオペラグラスで地上の光を見ていた。
飛び立ってあっという間に到着するので,飲み物サービスはなかった。平泉で買った南部煎餅とスチュワーデスさんが持ってきてくれた飴で飢えを防ぐ。
ここから先は昨年の元旦とまったく同じ行程である。
ここからさらに駄目押しのように釧路まで約3時間半の乗車。汽車旅の名残を存分に惜しむことができる。
本日のスーパーおおぞらは全便10両編成。
釧路到着。
旅行記終了,最後まで読んでいただきありがとうございました。