北海観光節旅行記あゝ陸の奥幾たびぞ

たざわこ芸術村

たざわこ芸術村

 

今日は10時30分からのわらび座公演「よろけ養安」を見ることにしている。観劇券はあらかじめインターネットで予約しておいた。

たざわこ芸術村を知ったのは,昨年9月12日にTBS系で放送された『銀河鉄道に乗って』というドラマ(脚本:市川森一)を見てのことだった。宮本真希のボーイッシュなジョバンニや,橘実里の透きとおったカンパネルラも良かったが,舞台の広さが印象に残った。こんな素晴らしい劇場どこにあるのだろうと思っていたら,番組の最後に「たざわこ芸術村」というテロップが出たのである。調べてみると,ドラマで「あけび座」と名乗っていた劇団は,「わらび座」という名で実在しており,田沢湖町を拠点にして50年以上も活動を続けているとのこと。秋田の山奥からそういう質の高い文化が発信されていることも興味深く,今回ぜひともと思って訪れた。

ドラマで見たとおり奥行きのある舞台である。前から4列が自由席,その後ろが指定席で,私は指定席のほぼ中央の良い席が当たった。連休なので満席になるかと思ったが,ガラガラだった。

上の写真は上演中に撮影したものではない。この劇場の変わっているところは,どんちょうが下りないということである。開演前には俳優さんが舞台上で悠々と化粧やストレッチ,発声練習,マイクの調整をやっていた。しかも,主役級の俳優さんが客席の中に入ってきてお土産を売ったりしていた。

定刻となると,ちんどん屋が現れ,携帯電話や写真撮影のマナーについて,ユーモアたっぷりに説明があった。

「よろけ養安」は江戸時代の末,院内銀山に生きた医者の物語で,さほどの感動や涙はなかったが,ミュージカルとしてはやはり大変質の高いものだったと思う。帰りにCDを買うと,主役の安達さんにサインをしてもらえた。

芸術村の敷地内ではフリーマーケットが催されていた。ちょうど昼時だが,レストランは予約の人で満員。

劇場以外にあまり見るものもなさそうなので,角館まで歩くことにする。もう少し待てはシャトルバスもあるが,歩いて春の息吹を肌で感じてみたい。


角館駅まではほぼまっすぐ5km。


柏林の集落。戦後満州引揚者により開拓された地区で,集落の人全員がキリスト教徒だという。


今回の旅行では,東北の鯉のぼりを見ることも楽しみにしていた。北海道の農家に比べると東北の農家はお城のように立派なので,鯉のぼりもさぞかし豪華なのだろうという期待があった。しかし,北海道に比べて鯉のぼりを揚げている農家の比率は少なかった。鯉の数も北海道より少なく,せいぜい3〜4匹で,以外と質素だった。


畑の中を大柄な新幹線が走るのは妙な感じ。


北国の春。


角館の渋滞。時間の都合で桜は見れなかったが,渋滞を見れただけで満足である。

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