北海観光節旅行記あゝ陸の奥幾たびぞ

浄法寺街道 その2

地元の人が見れば何でもない風景かもしれないが,北海道の人間から見れば至極感動的なのである。

 

小さな神社や墓地が点々と存在する。


岩手県の名酒・酔仙。

 
本物の水仙。

ずいぶん歩いてきた感じがするが,まだ4分の1だ。

浄法寺町に入ると「浄南ママ直」があり,すがすがしい朝日に照らされながら農家の奥様方が店開きの準備をしていた。こういうところにふらりと立ち寄ってお茶でも飲ませてもらうのが旅の醍醐味なんだろうが,奥様は意外と苦手なので通過した。

「浄門の里」を名乗る門崎地区。浄法寺椀の発祥地といわれる。

畑の中の神社。

安比川を渡って大清水集落に入る。戦国武士大清水氏の本拠地だったところという。

  

大清水の熊野神社。

熊野神社の祠 稲荷神社 古碑


大清水の交差点。

整然とマルチングされた畑。北海道では見たことのない作物だが,これが葉タバコだろうか。

駒ケ嶺。この付近にも駅場があったらしい。

大森集落。戦国武士大森氏の本拠地だったところ。

大森集落北のはずれから安比川下流方面を望む。この先はもう浄法寺市街だ。

ようやく浄法寺市街に着いた。この狭い道もまた県道の目抜き通りである。大正生まれの瀬戸内寂聴さんが
「細い道の両側に低い家並の家々が軒を並べていて,いきなり大正時代に引き戻されたような町」*
と書いているのだから古めかしさはお墨付きだ。

  

役場前の通り。ヤマザキショップでパンを買って向かいのバス待合所の前の椅子で食べた。

*『寂聴 天台寺好日』(瀬戸内寂聴,講談社文庫,1995.8)

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