「はやて」は全車指定席だが,みちのくフリーきっぷは本券だけで「特定特急券(立席)」を持っているのと同じ扱いで乗車することができる。しかし,窓口で頼めば指定券の発行回数に数えられることなく,「特定特急券(立席)」を無料で発券してもらえる。「特定特急券(立席)」は「はやて」の盛岡〜八戸,「こまち」の盛岡〜秋田の区間に限って適用されている制度で,全車指定席の新幹線にも自由席料金で乗車でき,空席に着席することができる。
一方,全車指定席の「はやて」「こまち」が満席になった場合には,「立席特急券」が発売されるが,これは前記の「特定特急券(立席)」とは別物であり着席することはできない。「立席特急券」は列車ごとに発売枚数に制限があり,また,みちのくフリーきっぷを提示して交付を受ける場合には,指定券の発券回数に数えられる。
というのが,専門家の解説によるところだが,実際に発券されたきっぷは上の画像のように,「新幹線指定券(立席)」と銘打たれている。「空席にお座り下さい」と注記があるので,恐らくこれが「特定特急券(立席)」なのだろうが,ともかく難解な制度である。
再び花の盛岡に到着。
マリオス
盛岡駅の裏手にマリオスという超高層ビルがあって,最上階が展望室になっている。
エレベータで20階まで上がる。
市内中心部方面を見る。
エレベータで降りようとしたところ,ラブラブのカップルが先にエレベータに乗っていた。2人だけの空間に割り込むのは申し訳ないと思いつつ,わたし一人のためにエレベータをもう1台呼ぶのももったいないので,ご一緒させてもらった。
すると,青年が親切にも「何階ですか?」と尋ねてくれた。「1階お願いします」というと,彼らも1階に下りようとしていたらしく,青年は一生懸命1階のボタンを探したが,ボタンが見つからない。考えてみればこのビルは3階に出入り口があって,来るときも盛岡駅の高架レベルから直接3階にアクセスしたのである。
「1階はないんですね」と一同談笑し,揃って3階でエレベータを降りる。盛岡はカップルも親切である。
盛岡駅フェザン
盛岡駅は2003年から3年計画で全面リニューアルし,1階は「おでんせ土産館」になった。南部せんべいの店をはじめ20余りの店舗が入っている。今日は少しゆっくりとお土産屋を歩いてみよう。
すると,どの店にも見惚れるようなきれいな売り子さんが揃っており,はっと目が覚めた。まるで中原淳一の描いた少女が絵の中から抜け出して現れたかのようで,夢かと思った。
そもそも,岩手の女性で美しくない女性というのをいままで見た記憶がない。学者先生が言うように,古来より南方系と北方系の民族の遺伝子が岩手のあたりでちょうど良い具合に配合されて,骨格が整っている上に,岩手の風土が人の顔をより美しいものにさせているのだろう。髪が見事な黒髪なのは三陸の海藻をたくさん食べているからだといい,その恵まれた髪をいかした「モリオカ系」と呼ばれるヘアスタイルは,色白の肌をいっそう印象深いものにしている。
お土産屋の一角ではさんさ踊りのビデオが流れていて,思わずうなってしまった。さんさ踊りも生で2回見たことがあるが,これはやはりすごい。
わたしも今年は北海道の踊りをなるべくたくさん見ようと思って,7月,8月には連日連夜各地の踊りを見に行った。「北海盆唄」「子供盆おどり唄」による盆踊りをはじめ,「あしべつ節」「北海へそ踊り」「室蘭ばやし」「苫小牧おどり」「とまこまいサンバ」「おたる潮音頭」「潮踊り唄」「深川しゃんしゃん踊り」「平成鳥取音頭」「きなんせ節」「ピヤシリ音頭」「平成名寄音頭」「夜高踊り」と,数えて道内19か所で踊りを見たことになる。
それらはそれぞれに素晴らしく,よさこいソーランなどとは比べものにならないほど魅力と迫力にあふれていたが,盛岡のさんさ踊りはまた,同じ日本人が踊っているとは思えないほど魅力と迫力にあふれており,恍惚として映像に見とれてしまった。
それと同時に,北海道の踊りと本州の踊りがなぜこれほど違うのかと思った。最近「北海道人」という北海道の地域ポータルサイトが,「私たちは日本人ではありません。北海道人です!」というキャッチで売り出しているが,とんでもない話だと思う。我々は北海道人であるとともに,日本人でもあるのである。
日本人ではない北海道人とは何なのかと考えてみれば,暴走族のパレードを公認したかのようなよさこいソーランまつり,西友の牛肉偽装事件で店に押し掛けた人達,どこの国籍かわからない家が建ち並んだちぐはぐな住宅街,ろくなものが思い浮かばない。
たしかに北海道で暮らしていると,自分が日本人だということを忘れてしまうことはある。しかし,先住民族は先住民族としての誇りを持てばよいと思うが,かつての日本から北海道に渡ってきた人達は,日本人であることの誇りを忘れてはならないと思う。盛岡のさんさ踊りにしてもそうだが,北海道が及びもつかないような素晴らしい文化が北海道以外の日本には存在しているということをまずしっかりと見つめることが必要で,北海道の文化もまずは日本の文化を基盤にしたものでなければ,世界に太刀打ちできるものにはならないと思う。
さわや書店フェザン店。岩手関係の郷土本は,大通の本店よりもこちらのほうが格段に充実していた。「東北学」関係のバックナンバーも網羅的に揃えられていた。
駅の地下に新しくできたトイレ。宮沢賢治の童話をイメージしたインテリアになっており,できるものなら1年でも我慢して,ここで用を足したいと思うくらい,幸せな気持ちにさせてくれるトイレだった。
大通
昨日に引き続き,万灯きらめく大通を散歩する。
宝くじ神社大通本店 | 開運橋宝くじ売り場 |
岩手の人は借金をしたがらないというが,宝くじの店に気合いが入っているのはそういう気質と関係があるのだろうか。
八百屋 | 食料品店 |
いかにも老舗という感じの店も元気に営業している。
ばちんこ美空ひばり | 北日本銀行大通支店 |
パチンコ屋も美空ひばりの若い頃の写真を掲げるなどしゃれている。北日本銀行大通支店はガラスブロックで建物ができており,夜になると建物全体が発光しているように見える。