遠野市街の白岩停留所でバスを降りた。
大船渡方面に2kmほど引き返す。その先に温泉があるはず。
遠野市内を歩くのは初めてだ。遠野物語で知られる古い町ではあるが,国道沿いにはロードサイド型の店舗が並んでいた。
20分ほど歩いて,踊鹿温泉天の湯(オドロカオンセンアマノユ)の看板を見つけた。
元旦から通常営業というありがたい温泉である。
番台で湯銭を払うとみかんを一つくれた。
湯殿は広々としており,あまり混んではおらず,ゆっくりと浸かることができた。
源泉はラドンを含有する冷鉱泉で11.6℃と冷たく,源泉風呂は冷たすぎて入れなかった。常連の人たちは,水風呂の感覚で繰り返し源泉風呂に入っていた。
帰りは旧国道を通って遠野駅に向かった。途中に鶯崎第6団地という妙な市営住宅があった。屋根の上に大きな越屋根がついているが,いまどき蚕を飼っているわけでもないだろうし,何のためのものだろうか。
40分ほど歩いて,遠野駅到着。
元旦から営業していたキオスク。キオスクにしては珍しい愛想の良い店員さんで,またお越しくださいと丁寧に言葉をかけられた。今度来るのはいつになるだろうか。
急行陸中時代そのままに,指定席も連結する快速はまゆり。
ここ3年続けて岩手県で元旦を迎えており,毎年岩手日報の元日号を購入している。昨年の1面は「いわて人口減少時代」だったが,そのときは今年が「復興元年」になるとはまったく予想できなかったことだ。
移転した花巻空港は似内駅が最寄りだが,快速列車は通過するので新花巻で下車。
タクシーで空港へ向かった。
空港内のレストラン「安比高原」で食事。ビーフカレー1,160円。
盛岡駅ほどではないが,空港のお土産屋も結構充実している。ここでまとめてお土産を買いこむ。
明日2日には,卒業以来20年ぶりとなる中学校の同窓会がある。それもあって,今回の旅行では,飛行機を使って早めに帰途に就くことにした。
旅の名残を惜しんで,もう1列車乗る。近くに乗り合わせた家族連れは,お父さんが煙草を吸いたいから札幌で降りて1列車遅らせると言って,延々家族会議をしていた。お母さんと子供たちは反対するわけでもなく,むしろお父さんに同情気味であった。
旭川到着。
旅行記終了,最後までお読みくださりありがとうございました。