留萌本線
(廃止)
増毛
- 住所:増毛郡増毛町大字弁天町1丁目
- 開業日:1921(大正10)年11月5日開業
- 標高:5m
- 配線:単線駅
- 路程:深川より66.8キロ 箸別より2.8キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:2人(2014年),834人(1983年)
- 最終乗降日:2016.12.4下車
●箸別→増毛の車窓
増毛港をぐるりと取り巻いて終着・増毛に到着する。漁港の賑わいはなかなか見事である。
崖の下を走る線路の路盤は悪く,脱線しないようかなり速度を落として走行する。2005年3月にはこの区間で実際に列車が雪崩に乗り上げて脱線する事故が発生,以降冬期は運休が頻発するようになり,最後の年は2月から4月まで2か月にわたり運休が続いた。
(廃止)増毛駅
留萌本線のかつての終着駅。写真の通りホームが1本あるだけで,少し先で線路が途切れている。駅舎は1921(大正10)年の建築で,映画「駅 STATION」のロケ地となった。長らく,時間が止まったような景色があるだけで閑散としていたが,2001年には営業をやめていた駅前の多田商店(映画で食堂として登場した建物)が観光案内所として利用されるようになり,2002年駅内にそば屋ができた。さらに2012年4月には駅で「孝子屋ぐるめ食品」が営業を開始した。
なお,1922(大正11)年公布の「改正鉄道敷設法」には「石狩国札幌ヨリ石狩ヲ経テ増毛ニ至ル鉄道」とあり,この先日本海岸を南下して札幌につながる計画だったが,とても鉄道が建設できるような地形ではなかった。国道が全通したのは1981(昭和56)年,冬季通行止めが解消されたのは1992(平成4)年で,それまで町内の雄冬に行くにも航路が頼りだったのである。
廃線後,駅舎は「駅 STATION」ロケ当時の大きさに増築され,観光施設として活用されている。駅前にある木造3階建ての旧富田屋旅館は2018年に町の管理となり,保存,活用が模索されている。
●見どころ
□旧商家丸一本間家
駅前の通りをまっすぐ徒歩3分。築100年以上の旧家。大修復に併せ呉服店舗などを再現し2000年より公開。2003年には国の重要文化財指定を受けている。
□丸一本間酒造
駅前まっすぐ徒歩5分。1882(明治15)年創業,北海道最古の造り酒屋。地酒国稀で知られる。
□元陣屋
駅から徒歩10分。秋田藩増毛元陣屋に関する展示あり。
□増毛厳島神社
徒歩5分。全道随一の彫刻神社
□増毛小学校旧校舎
駅前左に5分。道内に残る最大の木造校舎。イベントで内部公開されることもある。
□陣屋展望台
駅から1.5km,暑寒別川河口の近く。秋田藩元陣屋第二台場があったところ。観光案内所となっている。
おつかれさまでした。留萌本線の終着駅です。