札沼線
(廃止)
新十津川
- 住所:樺戸郡新十津川町字中央
- 開業日:1931(昭和6)年10月10日開業
- 標高:31m
- 配線:単線
- 路程:桑園より76.5キロ 中徳富より2.6キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:23人(2014-2018年平均),184人(1983年)
- 最終乗降日:2018.6.2下車
以下,廃止前の情報です
●(廃止)中徳富→(廃止)新十津川の車窓
名残惜しいが札沼線もいよいよ最後の区間である。まわりは美しい水田。丘の上にあった遊園地「むしむしランド(1996年倒産)」の観覧車は2007年に解体された。駅の手前でカーブを曲がってすこし向きを変えるが,線路が1本しかない駅のため,ガタンガタンと左右に揺すられる終点特有の感覚もなく,あっけなく到着する。
札沼線はこの先,石狩橋本,上徳富,北上徳富,南雨龍,雨龍,中雨龍,石狩追分,渭ノ津,和,中ノ岱,碧水,北龍,五ケ山と駅が続いて石狩沼田に達していたが,利用者の低迷により1972(昭和47)年6月19日で廃止された。
●(廃止)新十津川駅
中徳富駅として開業し,1953(昭和28)年11月3日に新十津川と駅名を改めた。当初より「がわ」と「かわ」の表記が混在していたが,「がわ」が正だったとされる。駅名標をJR仕様にしたとき誤って「しんとつかわ」としたところ旅行者から駅名標が間違っているとの指摘があり,「しんとつがわ」の駅名標を作り直した。このことが道新で取り上げられ,結局1997年4月1日に「しんとつがわ」から「しんとつかわ」に改称した。
今は終着駅だが,新十津川-石狩沼田間廃止までは単なる通過駅だったために,終着駅の雰囲気には乏しい。駅前商店街のようなものももともとない。
1日の乗降客数が12人とあるが,1995年に札幌近郊で一日散歩きっぷが発売されて以来,休日には訪れる旅人も増えている。2014年には駅前に「おやすみどころ寺子屋」がオープン,鉄道グッズなどを販売している。2016年3月のダイヤ改正で列車の本数が3往復から朝の1往復に削減された際には,日本一終発列車の早い駅となったことからかえって訪問者が増え,2018年3月のダイヤ改正で上り列車の発車時刻を20分繰り下げて新十津川駅の滞在時間を長く確保できる配慮がなされた。さらに廃止まで1年余りに迫った2018年4月には,駅舎内に観光案内所が設置された。
列車は1往復しかないものの,徒歩3分の「新十津川役場」バス停から滝川,浦臼方面のバスが出ている。バス停は系統により国道沿いと,農旧裏手の2か所に分かれているので注意。滝川駅までは,約4kmと歩けない距離ではなく(駅南側の滝新橋経由のほうがやや距離が短い),時間がなければハイヤーの利用も現実的である。
また,駅の北約2kmの橋本町バス停まで行けば,先に廃止された雨竜,北竜方面へのバスの便がある。
●見どころ
□新十津川物産館(食路楽館)
駅の北約500m,国道沿い。町内でクジラの化石が見つかったことにちなみ,屋根にクジラが乗った建物となっている。物産は町内の菓子類のほか,十津川村の漬物など充実しており,お土産に好適。
□開拓記念館・農業記念館
駅の西約900m。役場前の国道を西に進んだ突き当り。開基90周年を記念して建てられた郷土館。冬季休館。
□ふるさと公園
駅から4.5km。新十津川役場バス停からバスの便あり。
▽新十津川物語記念館
奈良県十津川郷は,1889(明治22)年の大洪水で壊滅し,翌春北海道へ移住し新十津川村を誕生させた。殖民地区画の制度ができた明治中期以降さかんになった同郷団体による内陸部開拓の第一号である。ここは川村たかし作の「新十津川物語」を紹介する記念館。
▽新十津川温泉 グリーンパークしかとつかわ
正式名称・国民年金健康保養センター。1988(昭和63)年オープン,単純泉。日帰り入浴,宿泊可。
終点,新十津川です。おつかれさまでした。