奥白滝(信) | おくしらたき | 信号場 | |
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紋別郡遠軽町奥白滝 | ||
昭和7年10月1日開業 | |||
標高514m | |||
交換駅(対向式) | |||
新旭川より73.9キロ 上越(信)より9.0キロ |
上越を発車するとすぐに石北トンネルに入る。延長4356mで,開通時には道内最長,全国でも4位の長さだった。トンネルを出ると25パーミルの下り坂で,今度は転げ落ちるように走る。夏には清流を望み,窓を全開にすると気持ちが良い。逆に上り列車に乗れば,この区間がいちばん印象に残る。
2001年6月30日をもって旅客扱いを廃止し,信号場化された。
こんな山奥にも直線の区画が引かれており,殖民区画による開拓地と思われる。大正2年に最初の入植者があり,往時には駅前に小市街も形成され,今は草むらと化している駅前広場で盛大な盆踊りが開かれたほど賑わったという。しかし離農者が相次ぎ,昭和58年に無住地となった。上越も奥白滝も駅の無人化と同時に無住地になっているから,最後の住人は国鉄職員だったのだろう。駅前には廃屋が見られるほか,旭川紋別自動車道の工事事務所もあって,意外に明るい雰囲気。
駅舎は開業当時からの建物を使用している。やはり豪雪地帯ということで最初から考慮されていたのか立派で,今でもがっちりしている。
なぜここに駅があったのかと不思議に思う人が多いようだが,駅がなくなってしまえば,奥白滝の歴史は完全に闇の中に埋もれてしまう。幸いなことに,地元有志によって「奥白滝駅舎を保存する会」が結成され,何らかの形で有効活用していく方向へ動き出している。奥白滝周辺は開拓地跡が白滝高原キャンプ場として整備されているので,駅を奥白滝のシンボルとして位置付け,奥白滝全体を開拓をテーマとした,人間と自然の関わりを学ぶ場として整備していくと良いと私は思う。往時の奥白滝を知っている人たちがまだ残っているので,今ならできると思う。
下車できない。
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