2022.1.16全面改訂(2001.6.10新規作成,2002.5.26一部改訂)
宗谷本線 その2
[名寄→天塩中川]
宗谷本線の旅も中盤に入って,だんだんと北に向かっているという実感が沸いてくる。音威子府までは札幌からも普通列車で日帰りできるので,知らない駅に降りてみたい。
宗谷本線[名寄→天塩中川]の概要
●歴史
対露戦争を念頭におき,1903(明治36)年には名寄に達した天塩線だったが,1904(明治37)年に始まった日露戦争による財政難で工事が中断した。日露戦争終結後,南樺太が日本に割譲され,稚内までの路線開通は新たな意義を持ったことで1909(明治42)年工事が再開された。1912(大正元)年音威子府まで開通,同年天塩線は宗谷線と改称した。音威子府~稚内間については,天塩川の水運が利用できる幌延経由は後回しとなり後の天北線が先に延伸したが,1917(大正6)年天塩川沿いの路線に着工。稚内からも1924(大正13)年より工事が始まり,1926(大正15)年に全通した。
支線の美幸線は1985(昭和60)年9月16日廃止,天北線は1989年4月30日廃止。
2000年3月には261系気動車が投入されて従来の急行が特急に格上げされたが,名寄以北では高速化が実施されていない。
●車窓
長さで全国4位の天塩川に沿って北上する。美深まで田園風景が続く。美深を過ぎると車窓は牧草地や畑が中心となり,いよいよ北の果てへ来たという雰囲気が強まってくる。山村の音威子府は今も道北の交通の拠点で,大きな駅舎の前には天北線代替のバスや都市間バスが発着する。その先に続く音威子府渓谷と神路渓谷は,深い緑に映える天塩川が素晴らしく,宗谷本線随一の見せ場である。谷がやや開けてくると,上川総合振興局最北の町・天塩中川に着く。
車窓は稚内に向かって圧倒的に左側が良い。
●運行系統
優等列車は札幌~稚内間に特急が1往復,旭川~稚内間2往復している。この区間の特急停車駅は美深,音威子府,天塩中川。
普通列車は2016年3月のダイヤ改正で削減が行われ,名寄~音威子府が4往復,音威子府~天塩中川間が3往復となっている。
●利用状況
普通列車については名寄~美深間で通学利用があるほかは,日常的な利用者は極めて少ない。旭川~稚内間を普通列車で乗り通す旅行者は意外に多く,特に青春18きっぷが利用できる時期は時間帯によって混雑する。
●車両
普通列車は基本的にキハ54形500番台が1両で使用されている。全車両固定リクライニングシートまたは転換クロスシートに換装されている。
それでは,宗谷本線その2・各駅停車の旅をお楽しみください