北海観光節小さな旅行記旭川〜占冠・初夏のイベント巡り

旭川〜占冠・初夏のイベント巡り その1

2012年6月2日(土)〜6月3日(日)

2006年から毎年開催されている「しむかっぷ村民山菜市」。鬼峠フォーラムの1年先輩にあたるイベントであるが,第1回の鬼峠フォーラムに参加したとき,山菜市は前日の山菜を採るところから参加するのが面白いと聞いた。それからなんだかんだで山菜採りには参加することができなかったのだが,7年目にして初めて参加してみることにした。

西御料7:52発→金山9:47着 富良野線・根室本線 快速狩勝

天気は素晴らしい。金山駅で下車,降り立つとさわやかな気持ちになる駅である。

バスの乗り換え時間が20分ほどあるので,占冠方面に歩いてみた。1kmほど歩くと,見事なシバザクラ畑の中に建っている家がある。この辺は,1軒1軒の農家が本当に絵のように美しい。

このまま歩いてパンケ入口というバス停から乗ろうと思ったが,歩いてみると意外と遠くて間に合うか不安に感じたので,金山駅前まで折り返した。

金山駅前10:11発→神社前10:38着 占冠村営バス 富良野線 下り1便

バスの車窓から見える新緑が素晴らしかった。緑というのは人間がいちばん敏感に感じる色だと思う。新緑の森の緑色の多様さは,人間が絵に描いて真似できるものではないと思う。

落葉針葉樹であるカラマツの新緑も,まぶしいくらいに鮮やかだ。

湯の沢温泉。6月から9月いっぱいはリニューアル工事のため休館中である。

山菜採りの午後の集合時刻は13時。しばらく時間があったので,久しぶりにコミュニティプラザの図書室で村の広報紙などを見て過ごす。

近くで村の人たちがしばらく世間話をしていた。高速道路ができるとこういうことになるのだなと,大変勉強になった。山菜市のコミュニティとはまったく別の占冠を見た気がした。

昼食は,道の駅の食事処おおさか屋で名物のかつ丼を頼んでみた。頼むと少し時間がかかりますと言われたが,それだけに丁寧に作り込まれたものであった。

食事をしている間に,お客さんがどんどんやってきて,食事をあきらめて出ていく人までいた。

道東自動車道は昨年10月29日夕張〜十勝清水間が全通し,3月に道の駅を訪れたときには非常にひっそりとしていたのだが,今日は全通前と変わらないくらいに活気がある。

 

観光バスがひっきりなしにやってきて,トイレには行列ができていた。新千歳空港から富良野方面へ向かうツアーバスの中継地としての立ち寄りが多いらしい。

一方,高速道路の占冠パーキングエリアでは,夏季限定ではあるが,占冠村の飲食店やお土産屋が店を出しており,こちらも盛況らしい。

夏しか稼げない,いわゆるデカンショ観光になってしまうきらいはあるが,意外と活気ある村の様子を見て安心した。

山菜市前日ワークショップ「山菜採り&山菜料理仕込み」

今日の山菜採りは「山菜市前日ワークショップ」として開催される。

■山菜市前日ワークショップ「山菜採り&山菜料理仕込み」

●2011年6月2日(土) 8:00〜15:00 
●集合場所:道の駅自然体感しむかっぷ(朝の集合8時、午後の集合13時30分)

ふき、わらび、ぎょうじゃにんにく、よもぎ、あざみ、こごみ、よぶすまそう、
みつば、おおうばゆり、はんごんそう などなど山菜を採取して、山菜料理の仕
込みをするワークショップです。山菜の種類や採り方を覚えたい方、処理方法を
学びたい方は是非どうぞ!楽しいですよ!

山菜採り参加の方:ナイフ、カマ、山菜を入れる籠、袋をご持参ください。参加
時間は個人の自由です。途中で帰られる方、途中から参加の方も歓迎します。

※午前中は全員で山菜採り、午後は仕込み班と山菜採り班二手に分かれます。
※午後の仕込み班は、コミュニティプラザ調理室(道の駅裏施設)で作業をして
います。
※昼食は各自で。

13時30分,コミュニティプラザの前に集合。十数人が集まった。ここで,仕込み班と山菜採り班二手に分かれた。私はせっかくなので山菜採り班に参加させてもらった。

午後からの山菜採りには11名が参加。車を乗り合わせて採取場所まで向かった。約半数の参加者が占冠まで列車やバスで来たというのに驚いた。私もそうであるが,鎌やら長靴やらを大きなカバンに入れて持ってきたのである。

いくつかのグループに分かれるのかと思ったが,全員同じ場所でふきを採ることになった。周囲を川と道路に囲まれ,迷う心配もあまりない場所である。

私も山菜採りはほとんど初めてである。本当に小さいころ,3歳か4歳のころに,山菜採りやキノコ採りに何度か連れて行かれた記憶はある。その頃は,行楽というよりも,生活の一部としてその時期になれば行かなければならなかったものだったように思う。その後,ちょうど前回の旅行記にも書いた昭和62年5月に滝上に行く途中,浮島峠付近でタケノコ採りをしたことがあった。それが唯一の山菜採り体験だ。

それでも,ふきにはいろいろと思い入れがあるが,実際に採ってみるとなかなか難しい。時期が少し遅く,赤くなったふきが多いのと,中に虫が入っているものが多かった。たまに,鎌でさっと刈り取ると,水が吹き出すようなふきに当たったときには嬉しいが,恐らく半分以上はその場に捨てた。慣れれば見た目で区別がつくのかもしれないが,山菜採りは気を付けないと案外自然に与えるダメージが大きいものだなと思った。

「しむかっぷ山菜を楽しむ会」代表の山本さんから,「オオウバユリの根を掘ってみるから見たい人は集まって」と連絡が入る。

鹿の角でまわりの土をほぐして茎を引っ張る。

鱗茎にはでんぷんを含んでおり,アイヌの時代には主食並みに重要視された食物だったという。

11人で1時間半かけた収穫物。これからさらに選別にかけられるが,案外採れないものだと思った。元手がただとはいえ,かかった時間を考えると山菜の値段というのは意外と安いというのが多くの参加者の意見だった。

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