北海観光節旅行記東京クリスマス

東京ディズニーシー

小さな町工場に生まれた私は,子供のころ東京に行くなど夢のまた夢だった。それでも,一度だけもしかしたら東京に行けるかもしれないと思ったのは,昭和58年に東京ディズニーランドが開業した時だった(当時小学1年)。

結局東京を訪れるのは高校の見学旅行まで待つこととなるが,4泊5日の行程で車中泊が1泊,残り3泊が京都だったので,東京は半日しか見ることができなかった。

北海道の場合,高校の修学旅行でディズニーランドを訪れることが多い。修学旅行でディズニーランドに行ったという別の高校の友人を,
「カラス服来た高校生がジェットコースターに乗ってキャーキャー騒ぐの? かっこ悪くない?」
とか,からかったものだが,日本人ならば一度ディズニーランドは見ておかなければならないと思って,実は昨年12月密かに訪れたのである。

実際に訪れた印象は思っていたのとかなり違っていて,ジェットコースターに乗って騒ぐような遊園地とは一線を画するものだった。それと,お土産屋がデパートのように充実しており,まさに夢の国だと思った。これは大人が行ってまったく恥ずかしいところではない。

今日はディズニーランドに隣接して2001年9月にオープンしたディズニーシーを初訪問する。


券売所。意外と空いていた。


入場制限を心配して,15時から有効のスターライトパスポートをあらかじめインターネットで購入しておいた。

入場すると続けざまに写真の撮影を頼まれる。一人で歩いている人がそれだけ少ないということだ。


海のまわりには観客がびっしりと陣取っていた。係員が声を張り上げて見物客を誘導していたが,果たして何を観るためにみんな待っているのだろうか。しばらくして18時20分からのプラヴィッシーモ!を待っているのだとわかった。開演までまだ1時間半もあるのに,これは大変なことだ。

 

とりあえず,園内を時計回りに回る。17時30分からの「アンコール!」は入場が17時で締め切られ,19時からの回を待つ人がもう並び始めていた。


19時20分からの「クリスマスホリデー・イン・ニューヨーク」も既に長い列ができている。


全長140mのS.Sコロンビア号。


17時15分からの「セイル・アウェイ」は意外と観客が少なく,見学することができた。

S.Sコロンビア号の処女航海を祝福するセレモニーで,今日はクリスマス特別版としてとり行われた。歓呼の声や旗の波に見送られ,ミッキー一行は航海へ旅立つ。


アクアトピア。

とりあえず何かアトラクションを体験しておこうと思い,ストームライダーに搭乗する。20分待ちで搭乗できた。最初に係員から,飛行機が嵐に体当たりで突っ込み嵐を消滅させるという作戦の説明を受ける。

ドアが開いて飛行機の客席に乗り込む。内部は映画館風のつくりで,定員122名。新人のパイロットのため危険があるということでシートベルトを締めさせられる。荷物は椅子の下に入れるか手にしっかり持つよう指示がある。いったいこれから何が起こるのであろうか。

飛行機が飛び立つ。地上はなれりゃこの世の別れ,思い出します母の顔。

そんなわけはなく,実は穂別の地球体験館と美瑛の火山砂防情報センターを掛け合わせたような施設で,飛行機に乗っている気分が疑似体験できるというものだった。部屋自体がガクガクと揺れ,実際にはそんなに大きな動きではないのだろうが,加速度の調整と映像の効果で,激しく揺さぶられているように感じる。嵐の中に入ったときには館内に風が吹き荒れ,本当に水しぶきが降ってきた。

14分間のアトラクションを終え退出。ただいま18時25分。

 

ディズニーシー・エレクトリックレールウェイでいったん正面に戻る。

電車に乗っている間,山の向こうで花火が激しく打ちあがるのが見えた。プラヴィッシーモ!の最後だったようである。


19時からの「アンコール!」がまだ入場を受け付けていたので列に並ぶ。

収容人数1500人の一流の劇場で,2階席の上のほうだった。オペラグラスを持参しているのでよく見ることはできたが,内容はよくわからなかった。しかしステージの近くに座っている観客はのり方が違う。2時間も並んで入場しているだけのことはある。観客席が波のようになって手拍子を打っているのが上から見ているとよくわかった。一方,周りの2階席からは寝息やいびきやあちこちから聞えてきた。みんな必死にクリスマスを楽しんでいるのだ。ショーの終わりにはクリスマス特別版としてミッキーが登場。ともかくこれで,「お前ミュージカルを見たことはあるか」と問われたら「はい,あります」と答えることができそうである。

アンコールの劇場から出ると,「クリスマスホリデー・イン・ニューヨーク」が最終章を迎えているところだった。

20時10分からのキャンドルライト・リフレクションズはそんなにあせらなくてもどこからでも見れると思ったので,今のうちにお土産屋を当たっておく。

 
キャンドルライト・リフレクションズ。水上に浮かぶクリスマスツリーの周りを灯篭がゆっくりと回っていく。


20時30分からのクリスマスウィッシュ・イン・ザ・スカイ。要するに花火大会である。


夜になって建物も一層鮮やかに照らされる。

さて,退園まであと1時間である。

先ほどストームライダーのところまでで園内をおよそ半周したので,電車で戻って残り半周を歩くことにする。もうそろそろ電車も空いているかと思ったが,見通しが甘く,また10分ほど待たされた。

ロストリバーデルタのクリスタルスカルの魔宮は70分待ち,ミステリアスアイランドのセンター・オブ・ジ・アースは既に入場締め切り,海底2万マイルは今並べば閉園ぎりぎりに乗船できるというところだった。

これはもうアトラクションはあきらめたほうが良さそうである。残りの時間,園内の雰囲気を味わうに徹することにする。

そうすると,また次から次に写真の撮影を頼まれる。今日は家族連れや老親を連れての孝行旅行などというのはほとんど見かけず,90%以上は2人連れである。写真は男から頼まれることも女から頼まれることもあったが,頼まれて悪い気はしない。若いカップルの幸せな前途を祈ってシャッターボタンを押す。一組,シャッターを切ろうとした瞬間,電池切れになってしまったのが気の毒だった。

22時の閉園までいると,今夜のバスに間に合わないので,若干早めに退園する。お土産屋で職場用にチョコレート菓子を買う。お土産屋は20時ごろより一段と混雑しており,歩くこともできないほどだった。

明治神宮の初詣などは,日本人としての一体感を共有するため,混雑したときに訪れる価値はたしかにあると思う。しかしディズニーリゾートはあえてクリスマスに訪れても混雑しているだけであまり意味がない。クリスマスの特別ショーも,別にクリスマスの日だけではなくずいぶん前から毎日やっているのである。ディズニーリゾートに関しては空いているときに訪れたほうがいいと思った。

それと,ディズニーランドに比べてディズニーシーは大人の雰囲気を醸し出していることがはっきりと感じられたが,私はまだディズニーランドでいいなと思った。

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