函館本線

滝川 たきかわ 有人駅
滝川市栄町4丁目
明治31年7月16日開業
標高29m  3238人
3面5線
みどりの窓口
520-2330
自動改札対応
キヨスクあり
函館より369.8キロ
砂川より7.6キロ
2001.7.21下車

●砂川→滝川の車窓

函館本線の岩見沢から先は北海道炭鉱鉄道空知線として明治24年7月に開通した。開通時の終点は歌志内だった。砂川を発車してしばらくすると,右手に昭和63年4月に廃止された歌志内線の跡が分かれていく。私の祖先が北海道に上陸した明治30年当時は旭川への線路もなかったため,当時の終点だった歌志内まで小樽から貨車に乗って到達し,そこから峠を越えて空知川を遡ったと聞いている。その歌志内線も今では忘れ去られようとしているが,近年線路跡がサイクリングロードとして整備され,また歌志内郷土館「ゆめつむぎ」にも資料が展示されている。
歌志内線を分岐した後すぐペンケウタシナイ川を渡る。ウタシナイは砂の多い川の意で,砂川も歌志内も語源は同じである。
美唄から国道12号とともにひたすらまっすぐ北上してきた線路もついにぐぐっとと左へカーブを切り,まもなく空知川を渡るが,このあたりが空知太といわれる地区である。太はアイヌ語のプトゥ(その川口の意)に由来し,空知川が石狩川に合流する場所であることを意味している。この空知太までは北海道炭鉱鉄道が明治25年に開通させていたが,その先はしばらく間を置いて,同31年7月に空知太−旭川間が官設上川線として開業した。延長511mの第一空知川橋梁を渡ると滝川市に入り,石狩川の堤防を左に見ながら右へカーブしてコンテナが集積する滝川駅に到着する。

●滝川駅

「たきがわ」ではなく「たきかわ」である。アイヌ語のソーラプチ(滝掛かる川=空知川)に由来する。明治23年に村が置かれたとき,ほんとうは空知村あるいは空知太村としたかったが,すでに三笠に空知監獄があってまぎらわしいので滝川村としたという。
明治19年には上川道路開削の拠点となり,同23年には屯田兵村設置,同25年には空知太まで線路が延びて活況を呈した。明治31年に旭川まで線路が延びてからは単なる通過点となって寂れたが,大正2年には富良野までの線路が開通し,再び活況が戻った。以来,国内屈指の炭鉱地帯である中空知の中核都市として発達したが,1995年3月の空知炭鉱(歌志内市)の閉山により,坑内堀炭鉱はすべてなくなった。
しかし昭和33年市制当時の人口が43000人(江部乙を含む)に対し,現在47000人でむしろ増加しており,炭鉱離職者の就職先として企業進出も盛んである。
滝川駅は昭和37年築の典型的な白い鉄筋コンクリートの建物だが,それでありながら温かみがあり,私の好きな駅の一つである。待合室には正統派の立ち食いそばや,商売熱心な薬局がある。近くにコンビニは見当たらないが,駅前のSEIYUと地下通路で結ばれており,買い物には便利。なお,待合室は下り利尻が発車してから上り利尻が到着するまで締め切られる。
ホームは7番まであるが,函館本線の他の駅と同様中線も含んであり,実際には3面5線。島式ホームには蒸気時代そのままの洗面台がぴかぴかに磨かれて現役で使用されており,貫禄がある。
札沼線新十津川駅までは約4km。歩いていくのも良いが,冬は避けるのが賢明。バスはJRバスと中央バスの便が充実しており,新十津川役場前で下車。

●見どころ

滝川駅はバスが非常に充実しており,途中下車の旅に特におすすめしたい駅である。バス時刻は北海道中央バスのサイトで調べることができる。バスはいずれも駅隣の中央バスターミナルから出る。

□美術自然史館(1)

駅から1.5km。バスなら歌志内行または岩見沢行に乗車,開発局前下車160円。活動が活発で常設展示,企画展ともに充実している。滝川海牛の化石標本をはじめとした海牛に関する資料を展示。その他,地球46億年の歴史を展示。恐竜には竜盤目と鳥盤目があるが,肉食恐竜ティラノサウルス(竜盤目)と草食恐竜カンプトサウルス(鳥盤目)の化石が対になって立ちあがり見事。展示室内にはテーマごとに「7つの質問」があり,解答すると認定証と解説書がもらえる。美術部門は,企画展示が充実している。こども科学館とつながっている。(H9.6入館)

*タキカワカイギュウ[道天]…1980年,空知川河床から発見。第三紀末(500万年前)の海に生息していたジュゴンの仲間。海牛はかつて「人魚」と呼ばれていた。

1000−1700 600円 月・祝の翌休

■リンク 滝川市の博物館
滝川市美術自然史館のサイト。こども科学館,郷土館についても紹介している。

□こども科学館(2)

美術自然史館に隣接。テーマ1「宇宙・地球の不思議」にはプレートテクトニクスを中心としたいろいろな展示がある。展示室中央に巨大地球儀があり,子供が泣き出すほどの迫力のあるシミュレーションが行われる。テーマ2は「自然界の不思議」,テーマ3は「人間の不思議」。いずれもユニークな展示で必見。滝川市は人口の割に素晴らしい文化施設がある。また施設だけではなく子供を対称にした勉強会など活動も活発だ。

1000−1700 300円 月・祝の翌休

□郷土館(3)

美術自然史館の向かい。滝川は北海道の内陸の開拓における要所。展示内容充実の博物館。

1200-1600 150円 月・祝の翌休

□開基百年塔(4)

駅から3.5km。市内線1系統・2系統またはふれ愛の里線に乗車,百年記念塔入口で下車。北電公園内。海抜100mからの眺めは絶景。

1000-2100(4-9)-1600(10) 11-3は冬・春休み以外は土日祝のみ開館,他無休 100円

*以上の施設の共通券あり:(1)+ (2)800円,(1)+ (2)+ (3)900円,(1)+ (2)+ (3)+ (4)1020円 

□どうぶつランド

北電公園内。動物園メインの小遊園地。

1000-1600 11/4-4/28休 200円

□川の科学館

駅から4.5km。ふれ愛の里線に乗車,川の科学館入口下車。または市内線1系統・2系統に乗車,泉町9区下車。豪雨体験,魚の展示など格調の高い展示施設。屋外に石狩川の1/1000模型などがあり子供に人気がある。晴れた暖かい日に行くのが良い。北電公園の西,ラウネ川河畔。

1000-1700 月休,11/4-4/28休 無料

 

□ふれ愛の里

駅から5km。ふれ愛の里線に乗車,ふれ愛の里下車。または市内線1系統・2系統に乗車,泉町9区下車,徒歩15分。1997.6.28オープン。温泉は広くて気持ちよく,レストランの薬膳料理はおいしい。滝川地ビール・スカイビールはピルスナービールとヴァイツェンビールがある。コテージあり。

1000-2200 第1月曜休 

■リンク 滝川ふれ愛の里

□チョッちゃんアンティークコレクション

駅から3.5km。滝の川団地線に乗車,国学院短大前下車。「チョッちゃん」の原作者黒柳朝さんから寄贈された西洋の古美術品を展示。市民会館内。

1000-1600 月休 無料

□華月館

駅から3.5km。滝の川団地線に乗車,国学院短大前下車。市民会館の近く。三浦庄作邸奥座敷と旧御料局舎の建物。

1000-1600 月休 無料

□スカイパーク

駅裏の石狩川河畔。駅から2.0km。グライダーの体験搭乗もできる。

▽スカイミュージアム

900-1700(4-11)-1600(12-3,月休300円) 

□コスモス広場

駅から1.5km。バスなら歌志内行または岩見沢行に乗車,開発局前下車160円。滝川といえばコスモス。8月下旬から9月下旬にかけて21種類のコスモスが咲く。空知大橋付近,河川敷。

 

富良野方面においでの方は根室本線にお乗換えください

砂川 北海道駅前観光案内所 江部乙