石勝線

鹿ノ谷 しかのたに 無人駅
夕張市鹿ノ谷3丁目
明治34年12月1日開業
標高277m  136人
単線
新夕張より14.8キロ
清水沢より6.6キロ
1998.6.7下車

●清水沢→鹿ノ谷の車窓

この区間は北海道屈指の車窓風景で,紅葉の時期には特に素晴らしい。夕張川とは清水沢で別れて,志幌加川の深い谷に入る。追分から夕張川に沿って徐々に勾配を上げてきたが,いよいよ道程は厳しくなり,ディーゼルカーは牛のような歩みで谷を登る。川は渓谷をなし,急峻な山は秋に真っ赤に色づく。国道は高いところを走っているので,紅葉は列車からのほうが断然良い。最後はトンネルで谷を抜け出すと,いよいよ夕張で,線路の上をサイクリングロードが横切る。このサイクリングロードは夕張鉄道(夕張本町−野幌間)の跡で,この先石炭の歴史村まで続いている。
さらに左手から夕張へのメインルート・道道3号札幌夕張線が合流してきて鹿ノ谷に着く。

●鹿ノ谷駅

かつて夕張鉄道と接続していた駅。夕張鉄道は夕張の石炭を小樽に運ぶための鉄道で,栗山経由で函館本線の野幌と結んでいた。全通は昭和5年で昭和50年廃止。線路跡は石炭の歴史村〜富野間約15kmがサイクリングロードとなり,途中の錦沢の3段式スイッチバックの路盤もそのまま使用されている。
鹿ノ谷駅には広大な構内が残り,不気味な雰囲気をかもし出している。奥には機関庫が倉庫に転用されて残っている。
現在鹿ノ谷駅は夕張支線で最も利用者の少ない駅である。それでも待合室には地域のイベントのポスターが貼られ,5月にはこいのぼりも飾られる。駅周辺には見どころも多く,途中下車にはおすすめである。

●見どころ

□石川コレクション文化会館

駅前にあったが,閉鎖。2001年7月に石炭の歴史村の一角(社光炭住跡地)に郷愁の丘ミュージアム「生活歴史館」としてオープンした。

□夕張鹿鳴館

徒歩10分,川を渡った丘の上。旧北海道炭鉱汽船(株)の迎賓館・北炭鹿ノ谷倶楽部。大正2年の建築。規模,格式ともに北海道を代表する豪華和風建築。ここと幸福の黄色いハンカチ広場の炭鉱住宅を見比べると,貧しい労働者と一部の豊かな支配階級のギャップを感じとることができる。近年,歴史的建築保存の動きの中でも,保存されるのは支配側の立派な建物ばかりである。炭鉱住宅などは「貴重とはいえない」としてどんどん取り壊されるのは残念だ。(H9.10訪問)

900-1700 200円

□幸福の黄色いハンカチ広場

清水沢側に2.5kmの丘の上。1977年・映画「幸福の黄色いハンカチ」の最終場面の感動をそのまま伝えるロケセット。今も訪れる人は絶えない。網走から夕張までの走行ルートの地図があるが,当時夕張に至るには岩見沢をまわらなければならなかったことに注目。今では石勝樹海ロードで真っ直ぐ来れてしまうから味気ない。(H9.10訪問)

□ゆうばりユーパロの湯

清水沢側に3km。公共の日帰り温泉。洋風,和風の風呂は男女日替わり。露天風呂や薬湯風呂は月替わり。休日には入るのをあきらめて帰る人もいるほど人気がある。食堂あり。隣に北炭化成工業所コークス炉煙突があるので注目。

日帰入浴1000-2100 無休 600円

清水沢 北海道駅前観光案内所 夕張