(廃止)上雄信内 | かみおのっぷない | 無人駅 | |
---|---|---|---|
天塩郡幌延町字雄興 | |||
昭和62年3月31日開業 | |||
標高 m | 人 | ||
単線 | |||
旭川より181.5キロ 糠南より3.5キロ |
|||
2000.8.5乗車 |
引き続き牧草地の中を行く。途中天塩川が見事。糠南と上雄信内を結ぶ陸路は鉄道以外になく,川向とも遠く,まさに陸の孤島のようなところ。しかし今も酪農が営まれており,あまり暗い感じはしない。土地や気候が良いのだろうか。
この駅は全国まれに見る特異な駅で,駅の常識的な概念が打ち砕かれてしまう。まず,この駅に通じる道がない。列車からホームに降りるのはよいが,そこからどこにも行くことができない(できなかった)。さらに驚いたことには,冬にはまったく除雪されない。なのに列車は停まる。
この駅の存在を知ったのは某駅に置かれていたノートの書き込みからだった。駅を訪ね歩いている人たちの間では,上雄信内というのは聖地のような存在らしい。
そのような駅で降りようとすれば,運転士からも乗客からも変な目で見られるので,私は隣の雄信内駅から歩いて訪ねることにした。駅があって列車が停まる以上,冬でも除雪されており,どこからかは行けるはずだと考えて疑わなかった私は,最初冬に探訪を試みたが,雪原の向こうに駅名標が見えるのみでまったく駅へ通じる道がないことに愕然とした。そして2度目のアタックで見事探訪を果たしたのである。なお2000年の夏には南200mを通る道路からトウモロコシ畑の中をくぐっていく細い道があり,比較的容易に訪れることができた。しかし過去には牧場の鉄線に囲まれてまったく到達できない年もあったようであり,隣の糠南駅から線路上を歩いて訪れるような人もあったようだ。
付近はタンタシャモナイと呼ばれ,この辺りでは最も開拓の早かったところ。今は数戸の農家が残るだけだが,比較的元気に見える。離農地を買い取って規模拡大により生き残りを図っているのだろう。
多くの人に鉄道の駅のおもしろさを教えてくれた上雄信内駅だが,2001年6月30日をもって廃止された。
あまりにも小さな待合室。なぜかこの中に除雪用具も入っている。
2001年6月30日,最終下り列車の乗降客は0。静かに最期のときを迎えた。
雄信内から上雄信内に至る道 | 途中には廃屋も多い | 雄大な天塩川 |
特になし
▲ | 糠南 | −北海道駅前観光案内所− | 雄信内 | ▼ |