昭和・北海道地図資料館

最新版全国旅行案内地図

昭和34年 光文社(面白倶楽部昭和34年新年号付録)

2004年4月,札幌の石川書店にて1000円で購入。表紙の写真は昭和33年11月1日から運行を開始した日本最初の電車特急「こだま」。151系8両編成で東京〜大阪・神戸間を1日2往復運行し,所要時間の大幅な短縮により東京〜大阪間の日帰りが可能になった。


地図は昭和31年の最新全国旅行案内地図に酷似しているが,形が微妙に異なる。昭和32年11月10日に根北線開通,同33年10月18日に羽幌線が全通している。この地図が発刊された時点で未開通なのは富内線の振内−日高町間と美幸線,白糠線である。根室拓殖鉄道と士別軌道はこの年廃止される。

裏面は「旅の百科宝典」。


北海道周遊券,四国周遊券,九州周遊券 昭和30年2月1日に発売が開始された割引周遊券(のちの一般周遊券)に続き,翌31年7月1日に北海道周遊券,32年10月1日に九州周遊券,33年5月1日に四国周遊券が次々に発売された。


回遊乗車券と異級乗車券 回遊乗車券は現在の連続乗車券に相当するきっぷで,有効期間が長くなるメリットがあった。異級乗車券の説明の最後,「体裁もよいわけである」というのが面白い。当時2等のきっぷは青色,3等が赤色と決められていたので,異級乗車券にすると,仮に一部の区間しか2等車を利用しないとしても青色のきっぷで出してくれるので,見送りや出迎え人のある場合に格好がつくというわけである。


料金案内 特別2等車は現在のグリーン車に相当し,昭和26年11月に料金が設定された。3等寝台は昭和16年以来廃止されていたが,30年3月20日に復活した。32年10月改正で東京−大阪間の急行「彗星」が初の寝台専用列車として運行開始。翌33年10月改正では東京−博多間の特急「あさかぜ」が20系客車で運行を開始し,ブルートレインの先駆けとなった。


宿泊料とチップ 私が小学生の頃(昭和60年前後),温泉旅館に泊まると父が仲居さんにチップを渡していたのを覚えているが,最近の旅行ガイドにはチップの説明がいっさいないのを見ると,いつの間にかこのしきたりも消えてしまったのだろう。


指頭消毒器/乗車客にうつ電報 指頭消毒器は今でも販売されているようだが,旅行に持って行く人は見たことがない。電話の普及で旅行中の人に電報をうつ人もいなくなったが,旅先で知り合いに不幸があったときなど,今でも場合によっては電報が重宝する。

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