ニニウのこれから > 鬼峠フォーラム2009開催報告 > 1.開催経緯

1. 開催経緯

●鬼峠フォーラムの位置づけ

占冠村ではここ数年で,一つの大きな文化的な住民活動の流れができていると聞く。平成18年から毎年開催されている山菜市はその代表的なイベントであり,昨年11月には道内外から多数の人が参加して「近自然ワークショップinしむかっぷ」が開催された。それぞれのイベントは食を楽しむものであったり,鹿や熊とのつき合い方を考えるものであったり,独自の魅力を有しているがゆえに,村民のみならず周辺の農山村あるいは,都会の人にとっても魅力的な機会になっているようである。

過去2回開催された鬼峠フォーラムも,客観的に見れば,そうした大きな流れの中に位置づけることができると思う。鬼峠フォーラムの場合は,自然観察や食のイベントとしての要素を持ちつつも,そこに歴史的な視点が加わっていることに大きな魅力があるのだと思う。

●3度目の開催へ

鬼峠フォーラムも3回目となると,この時期の行事として恒例化した感じがあるが,毎年実施すると決まっているわけではない。その都度,開催するかどうか話し合って決めるというのが,占冠らしいやり方である。それゆえ開催に至るまでの経緯を,私の知る範囲でここに記録しておきたいと思う。

今回,また鬼峠越えをやろうという機運が芽生え始めたのは,昨年11月に開催された「近自然ワークショップinしむかっぷ」のときではなかったかと思う。昨年の鬼峠ミーティングでは,ごく少人数しか峠を越えていないので,ぜひもう一度峠越えのチャンスをつくってほしいとの声を,このとき多く聞いた。

具体的に動き始めたのは年明け早々で,占冠村日月社の山本さんに日程などの相談のメールを私から送ったのが1月6日だった。その後,関係者間で日程の調整がなされて,1月28日の段階で3月14日開催の方向がほぼ固まり,2月4日に昨年の「鬼峠ミーティング」「近自然ワークショップinしむかっぷ」の参加者にメールで開催案内が出された。

●2月16日,関係者打合せ

2月16日には占冠村観光協会会議場にて打合せが持たれ,スケジュールの骨格が決まった。名称についてはいろいろ議論もあったようだが,「鬼峠フォーラム」に戻されることになった。今回こそは,無理をせず小規模でと思っていたが,打合せの中では,ビックゲストの参加や,神楽の上演,去年に続いてのニニウ食の再現などいろいろなアイデアが出たようで,相変わらずの盛り上がりに驚いた。残念ながら企画倒れのアイデアもたくさんあったが,これらは次回以降に期待したい。今回のメインはニニウ出身の会田静雄さんのお話しで,ニニウの旧宅を見せていただいたり,昔話を聞かせていただけることになった。

ニニウで唯一現存する廃屋となった旧A邸

●初日鬼峠越えプラン

今回は初めての試みとして,初日の朝から鬼峠を越えて,夕刻よりフォーラムを開催することとした。2日目に峠越えを持ってくると,結局前の晩に遅くまで話し込んでしまって,最悪の体調で峠を越えることになるからだ。また,過去2回は鬼峠を越えた後,ニニウをきちんと見る時間がとれなかったが,今回はニニウで少し時間をとってワークショップを開催することとし,峠越えをしない人たちも参加できるよう,ニニウまでバスを出してもらえることになった。

●鬼コースから仏コースへ

旧鬼峠(通称:鬼コース)は,昨年は道探しをしながらだったことと,一部テレビの取材が同行したため,ごく少人数でしか越えられなかった。しかし今年もまた,それなりの人数が集まる可能性を考えると,旧鬼峠の特にニニウ側については,やはり道が険しすぎるので難しいということになった。ただ,新鬼峠(通称:仏コース)の本村側は国有林の伐採作業が入っているため,登りは旧鬼峠,下りは新鬼峠とする案を第一案として,最終的には当日の状況を見て判断することになった。

鬼コースのハイライト,ニニウ眺望点

●自主創造プログラムへの採択

実は今回の開催に当たって最大の懸案とされていたのが,占冠村の自主創造プログラム制度の発案者であり,これまで多大なご協力をいただいていたM主査が,島サミット担当主査に異動したことだった。自主創造プログラムとして開催するには,決定書にいろいろな書類を添付して役場の中でいくつもの印鑑をもらわなければならず,事務処理もけっこう大変なのである。しかし,後任のT主事の甚大なご協力を得て,今回もスムーズに自主創造プログラムへの採択がなされたとのことである。

●開催案内

2月28日に発信された開催案内は次のとおりである。

昨年、一昨年と、鬼峠フォーラムにご協力、ご参加くださったみなさま。そして、山菜市や近自然ワークショップなどしむかっぷの催しににご協力、ご参加くださったみなさま。そして社会教育関係のみなさま。しむかっぷのやまもとです。
今日で2月も終わりですね。今年は寒い日が少なく、かわりにドカ雪が続いています。晴れるとすっかり陽射しに春を感じられる季節になりました。お元気でいらしゃいますか?
さて、3月14日(土)に今年も鬼峠を考える催しを実施いたします。詳細が決まりましたので、ご案内いたします。
地域の歴史や自然を考え学びながら、人と人、人と自然を「結い直す」ことは、本当に楽しいですね。今年も厳寒のしむかっぷに集い、年代や職種、地域、ときには時代をも超えて、鬼峠をテーマに、感じ、語り、交流を深めましょう。お時間がゆるせば、是非ともご参加ください!

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鬼峠フォーラム2009 (占冠村教育委員会・自主創造プログラム)
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日程 2009年3月14日(土)13:00〜21:00

●ニニウワークショップ
13:00 道の駅集合
13:10 ニニウの歴史をバスの中で学びながらニニウへ
13:40 ニニウ着<鬼峠越え組と合流>
14:00 会田さんの旧家を見せていただく
    ニニウ神社雪下ろし 奉納相撲大会?
    ニニウを流れる鵡川 など
15:30 ニニウ発

●鬼峠座談会
16:00 双民館着 座談会準備開始
17:00 鬼峠座談会
    昔のニニウの暮らし お話会田静雄さんほか 聞き手山本
    STVドラマ鬼峠 鑑賞

●鬼峠交流会
19:00 鬼峠交流会 ニニウ食やエゾシカを楽しもう(観音さんプロデュース&勝美さんの鹿肉)
    みなさんからの持ち寄りをお願いします。(できれば占冠の昔からある料理・地元素材を使ったもの)
21:00 終了 2次会開始

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●鬼峠アタック(自己責任参加・スノーシュー経験者のみ)
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※鬼峠アタックはスノーシューによる鬼峠越えです。行程は4時間程度で、中学生以上のスノーシュー経験者、体力に自信のある方に限ります。こちらは自主創造プログラムではなく、自己責任による個人的な集まりになります。(メールでのみ告知しています)

8:30 道の駅集合 乗り合いでソーウンナイ林道入り口へ 車の置き場要検討
9:00 峠越え出発 
13:00 ニニウ到着 > 昼食(各自弁当)
13:40 自主創造プログラムに合流

鬼峠フォーラム2007 鬼峠ミーティング2008 報告はこちら。
https://www.onitoge.org/ninew/index.htm

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参加費
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●ニニウワークショップ       無料
●鬼峠座談会            無料
●鬼峠交流会            2000円(1品持ちよりをお願いしています)
          お酒飲む方   1000円
          2次会      500円
●宿泊(双民館)+朝食       2500円
合計(すべて参加の場合)      6000円

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申し込みフォーム
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お名前
市町村名
移動手段                    <車・JR>
●ニニウワークショップ 13:00〜16:00     <参加・不参加>
●鬼峠座談会 17:00〜19:00          <参加・不参加>
●鬼峠交流会 19:00〜21:00          <参加・不参加>
 お酒                     <飲む・飲まない>
●宿泊(双民館)+朝食             <する・しない>
●鬼峠アタック(自己責任参加・スノーシュー経験者)<参加・不参加>

※鬼峠アタックはスノーシューによる鬼峠越えです。行程は4時間程度で、中学生以上のスノーシュー経験者、体力に自信のある方に限ります。こちらは自主創造プログラムではなく、自己責任による個人的な集まりになります。

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申し込み方法 ※メールかFAXにてお申し込みください。
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申し込み先 (略)

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●持ち物
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マイ箸、マイカップなどあればお持ちください。お持ち帰り用タッパも各自お持ちください。2次会用お酒、おつまみ差し入れも大歓迎です。
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「鬼峠とは…」

 昭和56年まで鉄道もなく陸の孤島といわれた占冠。ニニウはその占冠からさらに鬼峠を越えて3時間の集落だった。現在の鵡川に沿った占冠〜ニニウ間の道が出来たのは昭和35年のこと。入植のはじまった明治41年からこの道が出来る昭和35年まで実に50年以上、最盛期には30戸もの人々が住んだニニウへの唯一の道がこの「鬼峠」だった。この道を通り、夢を求め入植した家族、嫁いできた女、逃げていった男、すべてのひと、すべての物資、そしてひとびとの夢や想いも、すべてこのまぼろしの峠を越えていったのだ…。

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みなさまのご協力、ご参加をお願いいたします。
このメールの転送を歓迎します。

3月に入ると,村内には新聞折り込みチラシで周知され,3月12日には北海道新聞富良野版に「遺跡や再現料理で昔の生活を知ろう−14日に鬼峠フォーラム」の見出しで告知記事が掲載された。


2. 鬼峠アタック前編