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3. 過去7年を振り返る「我々はなぜ鬼峠を越えるのか」

鬼峠フォーラム会場の占冠湯の沢温泉「森の四季」に到着。

大広間では,教育委員会の社会教育担当のSさんが受付を始めていた。いつもありがとうございます。

●16:00 座学 過去の7年を振り返る「我々はなぜ鬼峠を越えるのか」

山本さんの趣旨説明により,フォーラム開始。

2年くらい前から,これまでのことを振り返っておきたいという話は出ていた。今年で8年目となる鬼峠フォーラムも,皆勤で参加しているのは4〜5人で,メンバーの入れ替わりもけっこうあるので,これまでのことを共有しておくのも意味あることだろう。それと,今回は富良野広域圏で周知をするという話もあって,久々に(2008年以来),初日に座学をやってから翌日鬼峠を越えることにした。

「なぜ鬼峠を越えるのか」は,フォーラム始まって以来の命題であるが,回を重ねるごとに議論は深まってきたように思う。

まずは,私のほうから話題提供として,スライドを用いて過去7回のフォーラムを簡単に振り返り,その後,意見交換をしてもらうことにした。

当日のスライドをそのまま,以下に掲載する。

●鬼峠フォーラム(2007)

いろいろなきっかけ,出会いが一気につながった第1回目のフォーラム。ニニウゆかりの方々も村内,道内外からたくさん集まった。

前年には高速道路建設のためニニウキャンプ場が2012年までの長期休業に入り,フォーラムと前後して,ニニウの施設群を村が手放す方向で動いていた。ニニウにとっては,ただ時間が過ぎるのを待つしかない辛抱の時代の始まりだったともいえる。

一方,この年4月には,赤岩トンネルが開通,10月には道東道トマムIC〜十勝清水ICが開通した。村内の残る区間の工事も最盛況を迎え,村には高速道路の特需効果が現れるとともに,全通後はどうなるのかという不安も渦巻いていた。

●鬼峠ミーティング(2008)

たまたまではあるが,NHKの道内ローカル番組「北海道中ひざくりげ」の取材が入ることになり,急遽の段取りで2月に開催された。

この年の秋には,「近自然ワークショップinしむかっぷ」が初めて開催された。山菜市,鬼峠フォーラム,近自然ワークショップと,参加者はある程度重なりながらも,それぞれに特徴のあるイベントとして現在まで毎年続いている。

●鬼峠フォーラム2009

「フォーラム」に名前を戻しての第3回。

この年,5月には村内のトマムで島サミットが開催され,各国首脳が集まった。サミットを前に,3月に村の関係団体でしむかっぷふるさとふっつくふくらむ協議会(ふふふ協議会)が組織され,村全体が盛り上がっていた。10月には,道東道占冠IC〜トマムICが開通し,村内の通過交通量がさらに増加した。

●鬼峠フォーラム2010

丸2日間の盛りだくさんのプログラム。初回以来の2代目鬼峠越え。

この年6月には高速道路無料化社会実験が開始され,占冠村の交通量はいよいよ増えた。観光協会は7月にNPO法人化してスタッフを大増員,道の駅では毎週のようにイベントが開かれた。11月には,「しもかぷ工房」が旧占冠小学校校舎に開設され,新しい木工芸品づくりが始まった。

●鬼峠フォーラム2011

震災翌日,被災地の状況もまだよくわからない中で,ともかく開催した。この日から,それぞれが思案の中で1年を過ごすことになったと思う。

島サミット,高速道路特需による動乱の時期を経て,「しむかっぷサクラマスプロジェクト」「シムカップアートキャンプ」「鵡川源流から海へ135kmの旅」「酪農学園大との連携協定締結」など,新しい時代に向けての着実な取り組みもこの年に始まった。

●鬼峠フォーラム2012

6回目にして,念願の参加者全員での初代鬼峠越え。

前年10月に高速道路が全通し,村はいくぶん落ち着いた。4月に,役場内に林業振興室開設,拡大造林期以来の林業復興の取り組みが始まった。9月,星野リゾート・北大・占冠村で連携協定締結。道東道の開通によってアクセスが向上したことにより,さまざまな事業や研究が占冠村を対象として行われるようになった。

懸案だった鹿の解体処理場はジビエ工房「森の恵み」として4月オープン,9月には湯の沢温泉がリニューアルされ指定管理者による運営に移行,10月には地域カフェ「ぼっこてぶくろ」がオープンと,鬼峠フォーラムの主要メンバーもからみながら,大きな動きがあった。

11月には元ニニウ住民による「ニニウ会の集い」が湯の沢温泉で開催され,高齢化のため今回で最後にするとのことであったが,その際会田さんが声をかけてくださったことで倒壊寸前のニニウ神社が補修されたと聞いた。これも鬼峠フォーラムをやって良かったこと。

●鬼峠フォーラム2013

金山峠旧道と初代鬼峠のダブル峠越え。

この年4月,スローフードしむかっぷが設立。世界組織のコンヴィヴィウムが村単独でとはすごいこと。

第1回の鬼峠フォーラム開催と前後して村が手放したニニウの施設群は,不幸な係争を経て,結局村が買い戻すことになった。秋,旧新入小・中学校校舎とサイクリングターミナルが解体された。一方,ニニウキャンプ場は8年ぶりにオープン。8月には,赤岩青巌峡の遊歩道が復元された。3年間の「シムカップアートキャンプ」の成果の一つとして,柄澤健介氏による「鬼峠ベンチ」設置。ニニウはまた新たな時代に入った。


4. 鬼峠交流会