北海観光節小さな旅行記JRとバスで巡るラベンダー先どり紀行

ワイン工場

再び上富良野駅へ。

北の京芦別では毎年ラベンダーシーズンに大物歌手を招いての歌謡ショーが開催されている。一昨年は水前寺清子,昨年は千昌夫,今年は五月みどりときた。この調子でいけば,来年は森昌子を期待したい。

 

美瑛行きのノロッコ4号到着。上りノロッコ号は各便とも上富良野で5分程度の停車時間があり,車掌から駅のソフトクリームがうまいと案内されるので,みんな列車を降りて買いに来る。

上富良野14:33発→学田14:48着 富良野線 富良野行き普通列車

地吹雪の名所,学田(がくでん)駅で下車。

田んぼの真ん中にある駅だが,近年駅前の交差点に信号機がついて,観光バスがひっきりなしに行き交うようになった。

ぶどう果汁工場

 

歩いて10分もかからず,ぶどう果汁工場に着く。

工場見学やぶどう果汁の試飲が可能で,観光情報コーナーが設置されている。札幌方面から裏道ょ車でアクセスした場合,富良野エリアの入口に位置する施設なので,立ち寄っておくとよいだろう。

 

ワイン工場までは1.5km。ぶどう畑の中の砂利道を歩いていく。こういう心地よい体験ができるのは列車とバスの旅ならでは。

一面のぶどう畑と十勝岳連峰。ワイン工場への途中には見晴らしのよいスポットが何か所かあった。

こういう風景を見て,都会の人は大自然だと言うかもしれないが,田畑は全部人間が作ったもので,この景色の中に自然なんかないのである。しかし,そこで暮らしている人間の営みが,この風景を美しいものにしているということに気がつかなければならない。

富良野ではここ数年,毎年100戸単位で農家が離農しているという。無理して開拓した山間地ならともかく,平地のよい土地までもがどんどん放棄されているのである。それが国の政策なのだから仕方がないのかもしれないが,この美しい風景が見られなくなるのも時間の問題というところまで来ている。

ふらのワイン工場

ここもガラス越しに工場見学が可能で,地下の貯蔵庫では真夏でもひんやりとした空気が味わえる。2階の売店は限定品のワインを求める人で賑わっていた。

ふらのワイン工場のラベンダー園。富良野市の人が「清水山のラベンダー」と言うのかここである。よく手入れされており,最盛期でもあまり混雑しないので観光客の満足度が高いラベンダー園である。

ふらのワインハウス

昭和54年のオープンで,翌年父と二人で訪れ,鳥の唐揚げを食べた記憶がある。もう四半世紀以上前のことだ。

ワインハウスから富良野市街を望む。眼下を流れる茶色い川が富良野川,画面中央を流れる青い川が空知川。対照的な色をしているが,富良野の語源「フラヌイ」について,松浦武四郎は「フウラヌイは赤川と云義なり。水底皆赤土なるが故に号」としている。

滝川行きの普通列車が空知川を渡っていった。

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