新聞の記事で,12月20日に幌延町でトナカイホワイトフェスタ2009が開催され,それに合わせて沿岸バスがトナカイバスを運行することを知った。沿岸バスでは今年5月からフリーきっぷを発売しており,これを使って豊富温泉にでも行ってみたいと常々思っていたところだったので,この機に沿岸バスで幌延,豊富方面に行ってみることにした。
トナカイバスは留萌駅前9:10発なので,旭川駅7:20発の特急に乗れば間に合うのだが,せっかくなので路線バスの途中下車も楽しんでみたいと思い,始発の特急に乗った。
留萌までの停車駅は石狩沼田,峠下,大和田のみという,線内随一の俊足列車である。車両には座席の過半をロングシートに再改造したセミクロスシート車が充当されていた。
一昨年,留萌本線の秩父別駅で,高校生が列車に乗り切れず,積み残しをしたまま発車するという悲惨な出来事があり,テレビ,新聞で大きく報道された。おおかたの報道では実態を把握しないままマナーの問題と片づけられてしまったが,私は高校生たちが気の毒でならなかった,
事件が起きた当日使用されていたのはオール転換クロスシート車だと言われている。この車両は,私も高校時代に大変辛い思いをした経験があるが,通路が非常に狭く,しかも座席の肘掛けが障害物となって,混雑したときには車内がパニックに陥るのである。この事件について,的確な論考を見つけたので紹介しておく。→輸送力極小化の破局−留萌線騒動の真の原因を探る
6時38分,留萌駅到着。のりば案内にはまだ羽幌,幌延方面の文字も残る。
留萌駅前といっても,沿岸バスの乗り場は,留萌駅から少し離れたところにあった。
留萌市内で留萌川を3回渡り,国道232号線に入った。日本海岸をひたすら北上する。
冬は風が強いのだろう。道路際の家は板を張り巡らしていた。
小平町を通過して苫前町に入り,上平で下車。国鉄羽幌線は力昼から山側に大きく迂回して古丹別を経由していたが,代替バスの沿岸バスは海岸沿いをそのまま走るので,上平のバスターミナルで古丹別線との乗り換えの便が図られている。
外は猛烈な風が吹いていた。丘の上には風力発電機がたくさん建ち,勢いよく回っていた。
古丹別はきちんと見たことがなかったので,今日は少し足を延ばしてバスで訪れてみる。
オロロンラインから東に折れ,添牛内方面の霧立国道に入る。
古丹別には高校もあって,想像以上に活気のある集落だった。もともとは国鉄の古丹別駅を中心に農産物や木材の集積地として発展した集落だという。
折り返しのバスに乗車。
バスはオロロンラインに戻ると,今度は西側に折れて海岸の細い道に入った。
絵に描かれそうな海岸の集落を通っていく。
苫前上町で国道に戻り,それからはあっと言う間で羽幌市街に入った。人口8千人余りでこの賑やかさには驚く。