10時48分,新夕張駅到着。夕張市長や新夕張駅長が横断幕をもって迎えてくれた。
まず乗務員室内で新得駅長から浜田新得町長へタブレットが渡され,浜田町長から鈴木直道夕張市長へタブレットが渡された。
タブレットは鈴木市長からさら新夕張駅長へとリレーされた。
新得町長から夕張市長へ,名産の新得地鶏と本格蕎麦焼酎「流氷一滴」の贈呈。
JR北海道釧路支社長から夕張市長へ,記念品として木製SL模型の贈呈。
乗客代表の釧路市立博物館・石川学芸員から夕張市長へ,太平洋炭鉱の石炭を贈呈。
夕張市長から新得町長とJR北海道釧路支社長へ,夕張メロンのお酒の贈呈。
鈴木夕張市長からご挨拶をいただく。
市長自身,30歳であり,また,今月16日で93名の死者を出した北炭夕張新炭鉱ガス突出事故から30年になるという。
ホーム上でのセレモニーを終え,ここからは2台のバスに分乗して夕張・鉄道遺産の旅へと移った。
車内では三菱大夕張鉄道保存会会長の奥山道紀さんから詳しい解説を聞くことができた。
清水沢の火力発電所跡。解体されてもう見られなくなるといわれながら,まだ建物の一部が残っているようである。9月17日から10月16日まで,ここをメイン会場として,夕張市水沢アートプロジェクトが開催されている。
南部市街の商店街。昭和50年代から時間が止まったような光景には胸打たれるものがある。
三菱大夕張鉄道・南大夕張駅跡で保存車両群を下車観光。
一時期荒廃が進んでいたが,保存会により修復され,往時のきれいな姿に戻っている。
ここは作家の故・立松和平氏が取材の際に座った座席だという。
大夕張〜札幌の特急線などで活躍した昭和42年製造のバス。
シューパロ湖にかかる三弦橋で下車見学。国内では唯一という非常に珍しい三弦橋であるが,平成25年に夕張シューパロダムが完成すると,水没する見込みである。
三弦橋の見学を終え,昼食会場である夕張駅隣接のホテルマウントレースイへ向かう。道中の奥山さんの解説は鉄道の話題にとどまらず,大変勉強になるものだった。
財政再建団体になってから夕張市を訪れる人が増えているが,目に見えるものだけを見て,どれだけのことが理解できるだろうか。私も夕張は何度も訪れているが,夕張を見るときのベースにあったのは,小学6年の修学旅行で訪れた石炭博物館での職員の方の話であった。そして今日奥山さんの話を聞き,今まで見えていなかった夕張が,また一段と鮮やかに見えてきた気がした。
夕張は炭鉱で栄えた時代の痕跡が,年々少なくなってきているだけに,こうした解説付きのツアーがもっとあっても良いと思った。
ここのランチバイキングは前にも一度利用したことがあって,あまり期待していなかったが,80名がどっと入ると,あっという間に食材がなくなってしまった。目の前で,自分の分の食料がなくなってしまうというのは,考えてみると初めての経験で,私はこれまで決して裕福ではなかったが,食べ物に関しては恵まれていたのだとつくづく感じた。順番によって食べ物があたらないというのは実にみじめなものである。
本日の最終プログラムは閉館中のSL館の見学。建物と貴重な展示物はそのまま残っており,閉館後も年に何度かこうしたツアーの折に公開されている。
電気が通じていないので,中は真っ暗。
乗客の人形も,一層不気味である。
リニューアルされ,イタリア料理屋が入った夕張駅。
夕張駅に我々の臨時列車が入線。
鹿ノ谷駅にあった夕張鉄道の車庫は,近々解体され,岩見沢でワイナリーとして再生されるという。
新夕張駅の駅員さんがオレンジカードを売りに来た。意外なことに誰も買わなかった。私はオレンジカードは何枚あっても困らないので購入すると,周りのJR社員から拍手を浴びた。
新夕張駅到着。ここでツアーから離れ,札幌経由で帰途に着いた。
旅行記終了。読んでいただきありがとうございました。