リゾート内で最も歴史あるホテル「ホテルアルファトマム」内に2010年12月オープンした北海道ビュッフェレストランhal(ハル)。本日の朝食会場である。
ザ・タワーとの間は長いスカイウォークで結ばれていたが,途中に置かれていた木の動物たちが心を和ませてくれた。
オフシーズンにもかかわらず,我々以外の一般のお客さんも結構泊まっているようだった。
ここのバイキングがまた素晴らしかった。私もそれなりのシティホテルのバイキングを経験してきたつもりであるが,ここのメニューは最高レベルと言って差支えないものであった。これは,食べることを目的にしてトマムを訪れる価値も十分にあると思った。
今日も村のバスが迎えに来てくれた。
ユウベの沢合流地点付近にある落差工の見学。恐らく,川の勾配を緩和することにより,下流側の崖下を走る道路を保護する目的で建設されたものと思われる。鵡川本流にダムはないが,下流に2つの頭首工,富内に小水力発電所跡,そしてこの落差工と,4つの構造物があり,遡上するサケマス類にとっては大きな障壁になっている。
鵡川から魚が減ったのは,これらの構造物の影響もあるが,1962年の台風を境にして極端に魚が減ったのだという。台風と魚が減るのとどういう関係があるのかわからないが,今年3月の鬼峠フォーラムに参加されていた元営林署職員の方の話を聞くと,次のようなことであった。
占冠村では,明治期から森林伐採が盛んに行われていたが,伐採は主に王子製紙によるものであり,エゾマツ,トドマツなどパルプになる針葉樹しか伐採されなかった。したがって,戦後まで,広葉樹はほとんど手つかずのまま残っていた。その広葉樹が伐採されたのは,戦後,営林署がトラックを使って本格的に国有林の伐採を始めてからだった。戦後営林署が遮二無二木を切ったのは,樺太引揚者などの雇用対策の意味合いもあった。
原生の広葉樹が盛んに伐採されたのは1960年前後だというから,1962年の台風以降,魚が減ったのは,このころの広葉樹伐採に起因するということもできるかもしれない。最近,占冠にサクラマスやサケが上るようになったのは,森林が回復してきた兆しであろう。
2日目のセミナー会場は,中央地区の占冠村コミュニティプラザ。
占冠・村づくり観光協会事務局長竹林利広氏による「サクラマスプロジェクト」の報告。2009年11月に着任されて以来,次々と新しい企画に取り組まれている竹林事務局長であるが,これまで村内でも改めて話を聞く機会はなく,今日の講演を楽しみにしていた人たちも多かったようである。
サクラマスプロジェクトはもともと観光協会の観音会長の構想によるものであるが,竹林氏がよりテーマを深めてプロジェクトを展開されている。源流で行われている植林は,よく考えると安易なやり方だというと,シシャモのための森づくりでは,本当に森と海がつながったことにはならないという問題提議には考えさせれるところがあった。現段階で経済性があるのはシシャモだけであるが,下流のシシャモ,中流のサケ,上流のサクラマスがきちんと棲めるようになって初めて森と海がつながったと言えるのではないかと指摘していた。
地域の課題は,この豊かさをどう将来につなげていくかで,そのためにはまず,感動(それも,忘れられることのないとびきりの感動)を伝えたいのだという。観光協会では感動を伝える事業として,現在,「サクラマスプロジェクト」と「アートキャンプ」の2本立てで取り組んでいるという。アートキャンプは今年の8月〜10月に初めて開催され,私も実際に訪れてそれなりに意義深いものを感じたが,そういう位置づけで取り組まれている事業であることは初めて知った。
今朝の道新朝刊には,さっそく昨日の鵡川源流探訪の記事と,今日の島村さんの講演会の紹介が掲載されていた。その記事を見てか,美瑛,富良野沿線の食分野で活躍している人たちも多数訪れ,講演に聴き入っていた。
会場を双民館に移して,ランチタイムとなった。
ニニウ生まれの熊さんたちは今日も元気。
しむかっぷランチを担当されたのは南富良野町リトル・トリーの大野さん。
メニューは「かつみさんが狩ったエゾシカ肉のラグー」「ほりいさんのじゃがいもとカリフリ農場のぶた肉で2種のコロッケ」「北あかりのマッシュ」「根室産さんまと札幌黄バルサミコマリネ」「自家製ピクルス」「黒米をまぜたごはん」。
限定20食という触れ込みだったが,結局大人数になった。これだけの人数分を一手に作られた大野さんは大変だったと思うが,どうもありがとうございました。
以上で,すべてのプログラムが終了。中央の道の駅に戻ってきた。
道の駅の人気者・えぞサンショウウオ担当の観光協会西村さんから説明を受ける参加者。
先週,10月29日に村内を通過する高速道路が全通し,やや寂しくなった道の駅であるが,それなりにお客さんは来ていた。これからは千歳空港から富良野へは占冠経由がいちばん早くなるし,案外これからも占冠の道の駅の利用者はいるかもしれない。
11月1日付の道新朝刊の全道版に「開発終了縮む占冠 人口減少率全国3位」という記事が掲載された。事実であるにせよ,やや記者の一方的な主観が入り込んだ記事のように思われたので,この記事に対する印象を,セミナーに参加していた何人かの村民に尋ねてみた。すると異口同音に,占冠が沈むはずはない,ほかのまちが沈んでも占冠だけは沈まないはずだと答えてくれたのは心強かった。
ネクスコでも,占冠インターで一度高速道路を下りても料金は通算でカウントされる「立ち寄りパス」(ただしETC限定で事前の予約が必要)や,占冠パーキングエリアにおける村内民間事業者による物産品販売所の設置など,通過市町村対策として全国に先駆けた取り組みを行っている。
「Takoyaki Factory てくてく 」さんのたこ焼き。「お前,たこ焼きは食べたことがあるか」と問われたとき,自信を持って「あります」と答えられる,本物のたこ焼きである。
帰りの富良野の車内ではもうお腹が空いてきたので,「マルシェひまわり」さんのおにぎりをいただいた。
旅行記終了。読んでいただきありがとうございました。