遠軽では約1時間の余裕があるので,まちなかを散策してみる。
きのうち種苗園。今日は,今年初めてといっていい,春らしい日である。園芸店では,花,野菜の苗を求める人たちで賑わっていた。
地方の商店街が寂れる一方の中で,種屋さんというのは,都会より田舎町のほうが元気な珍しい業種だと思う。
すぐ近くには,西たねもの店があった。こちらはこちらで,じゃがいもの種いもを14種類も揃えるなど,張り合うようにして営業していた。
どちらの種苗店も,種の品揃えは全国的に見て一流と言ってよく,これらの種屋さんがあれば,遠軽の人たちは十分に園芸を楽しむことができると思った。
左手にそびえたつのは,遠軽の語源にもなっている瞰望岩。
登るつもりはなかったのだが,これほど気持ち良い日だと,登ってみたくなった。時間も限られているので,とりあえず5分で行けるところまで行って引き返そうと思った。
なんと5分で頂上に着いてしまった。前回歩いて登った大学2年のときには,だいぶん息切れした記憶があるが,あれから体力が着いたのだろう。
眺めは素晴らしい。手前には白滝上川方面に向かう線路,前方にはスイッチバックして北見に向かう線路が見える。
遠軽駅の構内も一望にできる。北見の方から来た線路が,そのまま北へ延びていたのが名寄本線だった。
遠軽駅に着いた。
瞰望岩で一汗かいたので,駅のそば屋で「スペシャルそば」を頼んだ。卵,かきあげ,山菜,あいがもが盛り付けられて600円である。
待合室も昔ながらの光景。
名寄本線がなくなって,いまはこの先行き止まり。転車台も既に線路はつながっていないが,昔のまま残っている。
乗り場案内には,「紋別・名寄方面」の文字がはっきり読み取れる。イベント的にでもよいから,紋別・名寄方面に灯りを入れてくれたなら,泣いて喜ぶ人がたくさんいるだろう。
上下の普通列車と網走行きの特急オホーツクが揃った。
ホームでは「かにめし」の立ち売りがあった。2011年に調整元の火災により販売が中止されたが,昨年7月に復活している。
遠軽から留辺蘂まで特急で移動する。なんだか方向感覚がおかしくなるが,これでよいのだ。
途中は桜や庭の花がきれいだった。
山桜も素晴らしい。
常紋信号場通過。鉄道ファンにはよく知られた常紋峠であるが,国境ではなく,常呂,紋別の郡界の峠である。