ロケ地をひととおり見てきて,あと見ておきたいのが,出征兵士見送りのロケに使用された上芦別の明治鉱業跡だった。だいたいの場所は4/26の道新夕刊に掲載されたロケ地マップでわかっていたのだが,歩いて行って探すと時間が足りなくなる恐れがあった。
こういう場合は地元のハイヤーだと思って,芦別駅前からハイヤーに乗った。
ところが,運転手さんはまったく場所をわかっていなかったのである。
明治上芦別炭鉱があった一帯に入った。それなりに広い地区なので,左へ右へとぐるぐる回ってもらう。
炭住街を車で行くというのは,「幸福の黄色いハンカチ」のラストシーンにもなっているように,独特の雰囲気があるものである。
しかし,ついにロケ地は見つからなかった。
泰山橋を渡って上芦別市街に戻る。橋からは野花南ダムがよく見えた。このダムの底には,1918年に全国初のダム式発電所として建設された野花南発電所が沈んでいるという。
橋を渡ったところでハイヤーを降り,上芦別市街を歩いて駅へ向かう。商店街は縦横に広がる大規模なものだが,このところの寂れ方は著しい。何年か前から駅前の盆踊りも行われなくなっている。
上芦別駅前に停まるバスも,いまや市のキラキラバスが1日10本のみ。いまから30年ほど前は,北海道中央バスによって実に43往復の便が上芦別駅と芦別ターミナルの間を結んでいた。
貫禄ある上芦別駅の跨線橋。それもそのはず,上芦別は芦別五山のうち,三菱上芦別,明治上芦別,油谷芦別炭鉱の拠点となっており,芦別とともに急行停車駅だったのである。小樽発上芦別行きの急行「そらち」という列車もあった。
芦別の散策を終え,富良野まわりで旭川に帰る。
今朝深川駅で買ったウロコダンゴをいただく。甘いものは控えているが,今日はだいぶん歩いたので食べてもいいだろう。
根室本線から富良野線へ3分で乗り換え。
最後にやはり温泉に入っておきたい気がして,西中駅で降りた。
西中駅から歩いて万華の湯。
田園地帯にある温泉としては,泉質が良いほうである。
万華の湯に隣接するベストムは20時を過ぎて,まだバリバリ営業中。
次の列車は西中駅を通過するので,中富良野駅まで歩く。この区間を走っていたふらのバスの富良野線は廃止されている。
20分ほどで中富良野市街に入る。名物だった豪華な街路灯は,シンプルなものに更新されている。
帯広始発の列車。富良野線内では最高の表定作度(56.7Km/h)を誇る列車である。
旭川到着。
これで本日の旅は終わり。
読んでいただききありがとうございました。