北海観光節小さな旅行記芦別の北のほう

芦別の北のほう その8

2014年5月18日(日)

 

胎内は吹き抜けになっていて,20階の御本尊を一番札所として,入り口の十番札所まで様々な仏様が安置されている。

入り口では胎内めぐり集印帳が1冊100円で授与されていた。

一層下った18階には二番札所の白衣観音。仏像・仏具はインド,中国などから収集したものだという。

 

三番札所・龍頭観音,四番札所・如意輪観音。

 

螺旋階段には壁面いっぱいに企業や個人の奉納額が掲げられていた。

宗教というのは,基本的にそれに頼らなければ生きていけない苦しいときのためにあるものだと思う。したがって,仮にこの大観音が,経営的に苦しくなったからといって閉鎖されたなら,それはやはり本物の宗教ではなかったのだということになる。そういう意味では,北海道大観音が,今もこうして拝観可能な状態にあるのは,宗教施設としての体面を何とか保っているということができるだろう。

七番札所は身代聖観音様ということで,祈願所が設けられていた。

八番札所は癌封じ観音と十二支干支守本尊。

 

九番札所は仏教資料館。ずらり56枚並んだ大理石に彫刻された観音様は,1枚50万円の寄付で奉納されたもの。

 

3階安らぎの間は七福神殿となっていた。

置かれていたスタンプ帳は北の京芦別時代のものだった。写真左は,芦別レジャーランド時代のもので,中身は基本的に同じである。

七福神殿は,ホテル五重塔の10階から2階へ,そして大観音の3階へと移ってきたらしい。こうして場所を変えながら奉納されているのもまた,それなりに人々の思いが込められている証拠である。

基本的に内部は北の京時代のままと思われるが,3階には「北海道天徳大観音」としての紹介があった。そこには,「緩やかな階段を一段一段思いを込めながらゆっくりと昇り,各階にございます札所にてご祈願ください」とあった。そのとおり,エレベーターで一気に上がるのではなく,階段で上がっていくのが本来なのではないかと思う。

正直を言えば,大観音は単なる観光施設なのではと思っていたのだが,思いのほかいろいろな人の思いが込められており,何かを感じることのできる場所である。今日は予定外で駆け足での参拝となり,お賽銭も十分に用意していなかったが,今度は階段を上りながらゆっくり参拝してみたい。

1階に戻り,十番満願札所の千体観音。

それにしても,この巨大な施設を維持していくことは大変だと思う。

旧北の京芦別のエントランス。2008年の経営破たん後,何度か経営母体が変わり,2012年からはライフステージホテル天都として,昨年2013年夏まで営業していた。現在は大観音と同じく,宗教法人天徳育成会の所有となっており,施設は使用されているようだった。

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