13時ちょうど,開会ぎりぎりで環境シンポジウムの会場,東川町公民館(東川町環境改善センター)に到着した。北の住まい設計社から歩いて1時間20分だった。
SEA TO SUMMITは訳せば,海から山頂へということで,カヤック,自転車,徒歩の3つの手段によって山頂を目指すイベントである。アウトドア用品企画・販売のモンベルによって2009年に鳥取県の大山で行われたのが始まりで,現在では全国5か所,東川では2011年から行われている。
今日これから環境シンポジウムが開催され,山の祭りで交流を深めた後,明日7時に忠別湖をカヤックで出発し,旭岳山頂を目指すという日程である。
東川町長による開会あいさつ。市街地にはおしゃれな店がたくさんできました。これは2012年に町内に出店したモンベルの効果ですとのこと。モンベルグループ代表の辰野氏の名前から,タツノミクス効果と呼んでいた。
私もかつてモンベルクラブの会員だったことがあるのでモンベルにはなじみがあるが,東川にモンベルが店を出すとは驚くべきことだった。
基調講演は,旭山動物園の板東元園長。
一度講演を聞いてみたいと思っていたが,思っていたのとまったく異なる内容だった。ときどきテレビや新聞でコメントしているのを見聞きするが,本音はまったく別のところにあったりするようだ。メインのテーマはエゾシカだった。エゾシカの問題については,ある程度知っているつもりだったが,動物園長,獣医師,そしてハンターという立場からの問題提議は非常に深く,重い。改めて大変なことになっていると思った。予定の時間を大幅に超過しての熱い講演だった。
パネルディスカッションは東川在住の獣医師,写真家の竹田津実さんが加わり,モンベルの辰野氏がモデレーターとなって進められた。竹田津実さんも,大学1年のときのゼミで著書を輪読したことがあるのである程度知っているつもりだったが,今日だから聞けた話がたくさんあって,非常に深く感じ入るところがあった。
思いのほかためになったシンポジウムだった。
こちらがモンベル大雪ひがしかわ店。全国チェーンの店というのは,地方の既存商店と競合したり,郊外に出店して街なかの空洞化をもたらすものばかりかと思っていたが,ここではまちなかに出店し既存商店街との著しい相乗効果を生んでいる。こういう例がもっと増えていけば地方が面白くなると思う。
モンベルの隣にある道の駅・ひがしかわ道草館。パンなどはこの時間で全部売り切れの盛況。
「じゃらん」とのタイアップ企画,「はぴ7セット」。
魅力的な中身だが「お米&お水のセット」が入っているので結構重い。これは歩いて旅する人のことを考えていないなと思った。
道の駅周辺の商店街。
近郊では,仲の良い人ができたら,東川の商店街を手をつないで歩くのがトレンドになっている。これまでも,白糠,美瑛,下川など商店街の活性化で注目を集めた町はいくつかあったが,それらの町ではなしえなかったことである。
町長さんのおっしゃるおしゃれな店の代表格であろうレスヒガシカワ。
昼食が軽かったので,きちんと食事をしておく。15時半という中途半端な時間だったが,けっこうお客さんがいた。
笹寿司はラーメンで有名だが,ここはあえて中生ちらしを頼んだ。地元の人も頼んでいたので,これも人気メニューらしい。