北海観光節>小さな旅行記>石狩,胆振,日高,国境を巡るバス旅
2016年8月28日から31日にかけての台風10号による大雨で寸断された日勝峠が,1年余りの復旧工事を経て,今日13時に開通する。一方でいまだ復旧工事に着手していない根室本線の状況なども見つつ,開通の様子を見学しに行くことにした。
5時半,朝はもうすぐの旭川駅。
富良野線の下り始発列車。乗客2名で旭川駅を発車した。
朝焼けの大雪山。もうだいぶん雪が積もっている。
富良野盆地に入り,霜の降りた田園は,絵のような風景が展開する。
列車は美瑛で2両を切り離し,単行となって富良野へ向かう。
7時08分,富良野駅到着。待合い室にある立ち喰いの「圭子ちゃんの店」はもう仕事を始めていた。キヨスクは昨年10月末で閉店,板で囲われたままの状態が1年以上続いている。板には,見開き9面に及ぶ鉄道特集を組んだ「広報ふらの」8月号の誌面が貼ってあった。
今年改修された富良野駅の手洗い所。中は清潔に見えるようになったが,待合室との間にある掃き溜めのような場所はそのまま。プラットホームに行く際には必ず通る場所なので,何とかもっと明るい雰囲気にしてほしい。
根室本線東鹿越〜新得間は,昨年(2016年)8月末の台風10号で被災し,運休が続いている。昨年10月17日に,富良野〜落合間が一部バス代行で復旧した後,今年3月28日に代行バスが狩勝国境を越えて新得に通じている。
向こうに停まっている旭川行き上り列車には,きらきらした若者がたくさん乗っている。こちらの列車には,大きなマスクをしたお婆さんと私の2人だけ。列車は人生そのもののようである。
富良野盆地の突端に位置する下金山。昨年,金山小学校と下金山小学校を統合し,南富良野西小学校がこの地に開校した。のどかな農村風景が車窓を過ぎていく。
金山駅。かつて,占冠,日高方面への人と物の輸送を一手に担い隆盛を極めたという金山市街地も,昔を偲ばせるものがなくなりつつある。
そうした中で,レンガ造の危険品庫には昭和40年代のものと思われる,アジテーションの文字が今も残る。よねざわいずみさんの解読によれば,「反動○○○追放」「マル生粉砕」「72春闘○○」「斗争勝利」と書いてあるらしい。
今年完成から50周年を迎えた金山ダム。昨年8月の大雨の際には,巧妙な放流の操作を行い,下流の洪水を防いだとされ,「日本ダムアワード2016 ダム大賞・洪水調節賞」を受賞している。
穏やかなかなやま湖を渡る。湖底には旧線と鹿越市街が沈んでいる。