北海観光節旅行記旅ならば東北

山形県へ

2003年8月22日(金)

この日もアキタシティホテルに泊まる。連泊だと部屋に荷物を置いて歩けるので都合が良い。このホテルは朝食の評判が良く,たしかにバイキングのメニューに独自色があった。レストランからの眺めも良かった。

秋田8:51発→酒田10:18着 羽越本線 特急いなほ6号

青森発大阪行きの特急白鳥が2001年3月で廃止され,その後継を務めているのが新潟行特急いなほ6号である。

今日の行程は今回の旅行計画の作成上,最も頭を悩ませたところだった。徳内まつりを見るか岩手の安家洞を見るかで迷ったのである。安家洞にも非常に魅力を感じ,今回行かなければまた当分行く機会がないと思われたので,いったんは安家洞行きに決めかけた。しかし,その次の日は大曲の花火大会なので秋田新幹線を何度も往復することになるし,さらにその次の日にはまた岩泉方面に向かうという行程の汚さが気になっていた。

旅行記を人に見せるからというわけではないが,自分が移動した道筋を地図に落としたとき,その軌跡がきれいに見えるような道筋で旅をしたいと思っている。汽車旅をはじめたばかりの頃は,フリーきっぷなら乗らなきゃ損と思ってあっち行ったりこっち行ったり激しく動き回ったものだが,最近はそういう無意味な移動はやめた。また単に行きたい場所を順番に線で結んだだけのような旅程も物足りない。やはり旅行全体を貫く大きな波と流れがあって,その流れの中に身を置くことによって自分の気持ちを盛り上げていけるような旅行計画にしたいと思っている。

そういう意味では今日は盛岡に入る前の一段落として山形を観たほうが好ましいのだ。この旅行の前に「おしん」の総集編を見た影響もあり,山形まわりに決定した。経路も奥羽本線経由のほうが安く済むが,移動経路のきれいさを重視して羽越本線経由をとった。


みちのくフリーきっぷは青森・秋田・岩手県内しか使えないので山形県に入ってからの分は別途乗車券,特急券を購入しなければならない。

酒田はおしんが奉公した加賀屋さんがあったところ。一度市内を散策したことがあり,今回もダイエーまで行ってみた。酒田の女性は美しかった。すれ違う人みな美人で,キヨスクのお姉さんまできれいである。寝ぼけた目も覚め,思わず背筋が伸びる。

東北6県を美しい人の多い順に並べると,岩手,山形 >> 福島,青森,秋田 >> 宮城の順になると思うが,やはり岩手県と山形県は別格であり,汽車に乗っていると県境を越えた瞬間に車内がパーッと明るくなるのがわかる。その美しさは顔立ちの良さ,肌のきれいさはもちろんのこと,一人一人の存在そのものに凛とした輝きが感じられる。

酒田10:50発→新庄11:43着 羽越本線・陸羽西線 快速最上川4号

たしか3度目の乗車となる陸羽西線。山形新幹線の新庄延伸に合わせて「奥の細道最上川ライン」と愛称がつけられ車両も新しくなった。新庄市の人口は42000人,酒田市は100000人。山形新幹線が新庄まで延びているのは酒田の引力が大きいと思われ,陸羽西線は新幹線連絡鉄道して重要な役割を果たしている。

最上川が印象的な陸羽西線の車窓。この川の上流におしんの生家があった。

 

うまい米ならばササニシキ

 

酒田駅の駅弁「ササニシキ弁当」で早めの昼食とする。いまではササニシキといってもまったく貴重価値はないが,わたしが小学生のころはササニシキなどめったに食べることができなかった。そのころの米といえばキタヒカリという道産のまずい米で,冷えると団子のようになり,無理して口に押し込むと吐き気を催すようなものだった。小学校では月に1回くらい弁当の日があり,わたしの家は貧乏だったのでウインナーやハンバーグなどはなく,決まって梅干のおにぎり2個だった。それでもなるべく団子にならないようにと竹の皮に包んで持っていった。人に見られるのも恥ずかしいから,きらびやかな弁当箱を見せあいながら楽しく食事をする友達とは一緒になれず,一人でこっそり食べた。そのようなことを思い出すと,冷えてもおいしく食べられる米というのは感動的でさえある。

新庄駅到着。何となくほっとする雰囲気の駅である。夕方また戻ってくるので駅のコインロッカーに荷物を預けた。

新庄11:57発→大石田12:11着 山形新幹線つばさ114号

わずか14分の乗車で1130円も取られる。


昼時とあり,弁当などを満載にしたワゴンがやってきた。

少々時間にゆとりがあるので,銀山温泉に足を延ばしてみる。銀山温泉はおしんの母親が出稼ぎをしていたところだ。

大石田駅12:15発→銀山温泉13:03着 銀山温泉行尾花沢市営バス

 

新幹線→バスで乗り換え時間が4分。今回の旅行の中で最も危険な乗り換えになると予測していたが,改札で駅員さんにバス乗り場を教えてもらい,無事乗車できた。バス乗り場は駅裏にあり,地下通路を通って向かう。

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