北海観光節旅行記モリオカの太鼓

さんさ踊り

さあ,祭りだ。

既に交通規制のかかった県庁前通を小走りに行く。向こうからは太鼓の音が聴こえてくる。

まもなく先発太鼓パレードがやってきた。さんさ踊りは「日本一の太鼓パレード」を名乗っているが,先発の太鼓パレードは今年3年ぶりの復活である。

何百という太鼓の集団が途切れることなくやってくる。

  ビルこだまし弾む太鼓は

  低い調子でドンドドンドンドコドコドン,高い調子でトントトントントコトコトン

  若いこころのときめきよ ああさんさ舞う盛岡の夜

  叩く太鼓の妖しい音に 惹かれて踊るジジババも

  サッコラチョイワ ヤッセ,ハラハラハラセ

5年前に見て以来片時も頭を離れなかったさんさの踊りが次々に目の前を過ぎていき,感動のあまり目も潤む。


続いて,伝統さんさパレード。


ミスさんさ登場。やっぱり踊りが流麗である。5人のミスさんさが間隔を空けて並び,ぞれぞれがオーラを発してパレードを引き締める。


さんさ太鼓連による「ミス太鼓」


JA岩手県五連

老人保健施設カルモナ

さんさ踊りは東北五大まつりの中で最下格の位置づけであるが,わたしはさんさ踊りがいちばん好きである。笛と太鼓と人の声だけでこれだけ迫力のある祭りを見ていると,機械の力に頼りきったYOSAKOIソーランなど子どものおままごとのように思えてくる。


本部に行ってさんさグッズを購入。「特製手拭い」「ミスさんさカレンダー」「盛岡さんさ踊りカセットテープ」「盛岡さんさ踊りイメージソング・夏に願いを2004」。これまで交通費と神社のお賽銭以外には極力出費を抑えてきたが,ここぞとばかりに財布をはたいて購入する。


なっちゃんが登場した第一生命

新作の浴衣

岩手県職員の仮装


唯一団体として仮装で参加した(株)共立盛岡工場。踊りも独特で見事に揃っており,最後に表彰を受けていた。

20時45分,パレード終了。

 

今度は路上のいたるところでパレードカーを囲んで輪踊りが始まった。


その中でもひと際観衆の注目を浴びていたのが長岡さんさ踊り伝承会。可愛すぎ。

21時25分,すべてのプログラムが終了。

映画館通を思い思いに帰路に着く。

大通に入ると,祭りの雰囲気とは一転,無数の青少年が地べたに座り込んで食べ散らかしていた。祭りに参加したくてもできなかったのか,自ら参加しようとしなかったのかわからないが,わたしも同じような境遇に置かれているわけで,彼らには同情してしまう。

盛岡の大通は歩くたびに心地よい気分になる。商店街と繁華街が混在しており,空き店舗もなく雰囲気が明るいのである。大通を名乗りながら片側1車線であることも趣を添えている。盛岡市の人口は288000人。北海道の函館市とほぼ同じであるが,東北以北でもっとも活気のある大通りといってよいだろう。地方都市では駅前の百貨店の撤退や,空き店舗へのサラ金の入居が雰囲気を悪くする原因になっているが,盛岡ではそれがない。

盛岡駅は大きく改装されており,1階にお土産屋ができていた。昔ながらのパタパタ式の改札案内はなくなったようだ。NEWDAYSでお土産用の南部せんべいを買い物カゴいっぱいに買い込む。

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