まだ朝の8時前だというのに,おいらせ渓流観光センターの売店は営業していた。
さて,このあと子ノ口発11時ちょうどの遊覧船に乗るまでどうやって奥入瀬渓流を観光するか,ずっと迷っていた。選択肢は歩くか自転車に乗るかの2つしかないのだが,昨日の夜,自転車を利用することにいちおう決心した。
自転車は古牧温泉の姉妹施設である奥入瀬渓流ターミナルで借り,子ノ口で乗り捨てることができる。ターミナルの人と一言二言交わしたあと,自転車を借りたいと話すと「えっ」と顔色が変わり,「自転車では遊歩道に入れませんよ」「昨日は道路が渋滞していて自転車の人は怖かったようですよ」とあまりおすすめではないらしい。
貸し自転車屋さんがおすすめしない自転車をあえて借りることはないと思い,歩くことにした。
子ノ口まで14km。徒歩では間に合わない恐れがあるので,途中までバスを利用することにした。
奥入瀬渓流は中学の修学旅行以来14年ぶりである。バスガイドさんが滝や岩の名前を間違えてばかりだったので印象深く覚えている。というのも,そのバスガイドさんは新人で,前の日からとちってばかりでみんなに馬鹿にされていたのである。その晩宿で,ガイドさんも真剣に頑張っているのだから優しく見守ってあげなさいと担任の先生に諭された。明くる朝,この奥入瀬渓流を通ったときには,前日とは一転,車内からガンバレとの声が飛んだのである。青森での別れ際ガイドさんは感極まって泣き出し,みなももらい泣きした。
そのときから奥入瀬渓流は一度歩いてみたいと思っていた。
石ケ戸で降りるのが一般的だが,時間的に危ういのでもう一つ先の馬門岩で下車。
阿修羅の流れ。
川に埋もれてしまった道路標識。
雲井の滝
花もいろいろ
白布の滝 |
白糸の滝 |
不老の滝 |
姉妹の滝 |
九段の滝 |
滝もいろいろ
しかし,歩いていてだんだん腹が立ってきた。道しるべや地図がない代わりに,保安林の標注や,「ゴミは持ち帰りましょう」の看板が目に余るほど立っているのだ。これらの看板自体がゴミなのではないか。
しかしこれだけ注意書きの看板を立てなければならないということは観光客の質も低いということ。どうりで私利私欲に満ちた人相の悪い人が多いわけだ。
銚子大滝。
十和田湖が見えた。
奥入瀬渓流を歩くことはもう一生ないであろう。