大平台はスイッチバックの駅である。ここからさらにスイッチバックの上大平台信号場,列車交換のための仙人台信号場を経て,わずか2.2kmで約100m上って宮ノ下駅に到着する。
市街地に降りる道の石垣には,地元商店街から箱根駅伝出場者への応援メッセージが並んでいた。
宮ノ下ノスタルジック散策路
宮ノ下の商店街は「セピア通り」と称してガイドブックでも紹介されていた。ノスタルジック散策路などといえば聞こえはよいが,実態は寒々しい寂れた商店街で,なにせ国道1号線が通っているだけに交通量が多くて落ち着かないので,早々に退散することにした。
箱根登山電車は便によって混雑具合に差があるようで,今度の列車は空いていた。宮ノ下から線形はいよいよ険しくなり,次の小涌谷駅との間の平均勾配は66.9‰,再急勾配は80‰だという。カーブも半径30mと,JRではありえないきつさである。
強羅駅でケーブルカーに乗り換える。
9分間,1.2kmの乗車で214メートルの高低差を登る。途中に4つの駅があり,各駅では両側にホームがあってどちらからでも乗降できるようになっていた。
早雲山駅到着。ここから更にロープウェイに乗り換える。
1分おきにゴンドラがやってくる。
深い霧に包まれ,何も見えない。高いところでけっこう揺れるので,ずっとうつむいている乗客もいた。
尾根を越えると,一気に視界が開け,大涌谷がきれいに見えた。雲の奥には富士山も見えた。