別府駅到着。
駅前に出て,あまりの賑やかさに驚いた。元旦の午前4時過ぎだというのに,白木屋や魚民など居酒屋がたくさん営業しているのだ。駅にも人がたくさんいた。
駅前高等温泉
駅前の共同浴場も24時間営業とありがたい。日の出まで時間があるので,ゆっくりと浸からせてもらった。
九州の東海岸にある別府は初日の出見物のメッカでもあり,鶴見岳のロープウェイや地上100mのビーコンプラザグローバルタワー,上人ケ浜など数々の初日の出スポットがある。その中で,わたしが選んだのは別府タワーである。
別府タワー
別府タワーは全日本タワー協議会加盟の由緒正しいタワーで,名古屋テレビ塔,通天閣に続き,日本で3番目に建てられた高層タワーである。2007年に開業50周年を迎え,同年10月,国の登録有形文化財に登録された。
別府タワーでの初日の出イベントは,昨年「初日の出を見よう会」として始めて開催された。昨年の情報では午前5時から100人限定で受付とのことで,温泉に入る前に一度行ってみたが,今年は6時半からの受付とのことで拍子抜けした。
6時15分,入り口のエレベータ前で待っていても誰もおらず音沙汰がないので,とりあえず展望室まで上がってみた。
展望室に着いてみると何といちばん乗りで,社長さん?が慌ただしく椅子を並び替えたり準備をしているところだった。
展望室には別府タワー50周年記念写真展が行われていた。その中には鏡里,栃錦,吉葉山,千代の山の4横綱が揃った写真があった。50年前にはまだ道産子横綱の吉葉山,千代の山が現役で,以来計8名の横綱を排出しながらも,いまは関取すら一人もいなくなった北海道の現状を思うと,50年の年月というのは早いようで長いものである。
大分方面を望む。
簡素なお土産コーナー。温泉の泥からつくった「別府ファンゴ」というパックが最近はやっているらしい。
6時30分を過ぎて徐々にお客さんが増えてきた。
しかし,その数は20名足らずで,馬券売り場にでもいそうな独り者の初老の男が何人かいたのが印象的だった。
初日の出を拝んで新しい年が幸多き年であるように願う心は,誰もが同じである。
「見よう会」の参加料は飲み物付きで500円ということで,7時を過ぎてようやく生温かい缶飲料が振る舞われた。
初日の出予定時刻は7時17分。お天道様が出るはずの方向には雲がたれ込め,空はどんどん白んでいく。
みなここまで来たのだから必ず初日の出を見られるはずと信じながらも,これはちょっと難しいのではないかという雰囲気も漂い始めた。
しかし,7時28分,佐賀関半島の山稜からお天道様はきれいな姿を現した。
この瞬間,かしわ手を打つ人,合掌し願い事を唱える人,両手をかざし深々と頭を垂れる人,それぞれのやり方で新しい年の幸せを祈願し,一年の決意を固めていた。
鉄輪温泉方面。いずれゆっくりと訪れてみたいところだ。
別府タワー外観。