昨日の朝,暗闇の中で見た人形はかかしだった。説明板によると,東祖谷の主婦の方が人形創作として作ったもので,近年この地方の名物になっているという。かかしいろいろなところにいた。
今日は阿波池田を起点に,小さな右回りの旅をする。
バスは三好市内をぐるぐると回り,土讃線祖谷口駅付近から吉野川本流と別れて祖谷街道に入った。
道路はいきなり険しくなった。
途中の出合集落。
出合を過ぎると人家は途絶え,崖っぷちの道を延々進んだ。途中,対向車とのすれ違いに難儀する場面が何度かあった。
祖谷温泉
一軒宿のホテル祖谷温泉に到着。標高400mを越え,雪がちらついていた。
祖谷温泉はケーブルカーのある温泉宿である。日本に同種の宿がいくつあるのか知らないが,かつて何かのドラマで笠智衆さんがケーブルカーで風呂場に降りていくシーンを見て以来,ケーブルカーのある宿をいつか訪ねてみたいと思っていた。
ケーブルカーが上がってきた。
車内は無人で,自分でボタンを押して運転する。
勾配は42度,標高差は170mもあるので,けっこうな高度感がある。
約5分で到着。すぐに男女別の露天風呂と貸し切り露天風呂があった。
一般の露天風呂も貸し切り状態だった。
湯殿には源泉が勢いよくそそがれ,渓谷にそのままかけ流されていた。泉質も申し分なく,硫黄臭のする青みがかった湯で,泡が体にびっしりつく新鮮なお湯だった。
実は,こんな渓谷に都合良く温泉が湧くはずはないと思って,泉質には期待していなかったのだが,今回の旅行で最高の温泉にここで巡り会うことができて感激した。
ゆっくりと温泉に浸かり,ケーブルカーで宿のあるところに戻った。ケーブルカーの乗り場には暖かな待合室があり,湯冷めしなくて済んだ。