会津田島駅。田島は南会津町,下郷町,檜枝岐村,只見町からなる南会津地方の中心地である。会津鉄道はこの駅以南が電化されており,浅草へ直通する電車も運転されている。
国道沿いの商店街は,本州の町にしてはあか抜けしており,どちらかというと北海道的な無機質さが感じられた。
田島祇園祭は日本三大祇園祭の一つ。鴫山城(しぎやまじょう)復元の動きもあるようだ。いかにもプライドの高そうな町である。田島町との合併によって廃村となった地区は著しく疲弊しているように見えたが,一方で役場が残った地区で,このように雅を追求しているのは奇異に思われた。
この列車には席に空きがあり,久々にローカル線らしい雰囲気を味わうことができた。
塔のへつり駅到着。大きなこけしが迎えてくれた。塔のへつりがどんなところなのかよく知らなかったが,その名前から,ともかく下車してみたくなる駅である。
歩いて3分ほどで,塔のへつりに着いた。第一級の観光地の趣だ。
「へつり」とは会津地方の方言で,断崖,絶壁,急斜面をいうそうだ。奇岩怪石が塔のようにそそり立っていることから,塔のへつりといい,国の天然記念物に指定されている。
対岸に吊り橋で渡れるようになっていた。
岩壁にはコの字状の通路が穿たれ,散策できるようになっていた。
かつてはもっと奥まで散策できたらしい。
虚空蔵菩薩 (こくうぞうぼさつ)が祀られた祠。
川縁にあったこのお土産屋は,かなり奥行きがあり,漬け物の樽がいくつも並べられた奥には食堂もあった。
いまでは珍しくなったHi-Cの自動販売機。
塔のへつりを後にし,次の湯野上温泉駅まで歩いていくことにした。このコースは,AIZUマウントエクスプレス車内で配布していた「会津鉄道沿線ガイドマップ」にも,駅からウォーキングのモデルコースとして紹介されていた。
阿久戸地区。
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集落内の住宅は,かつて茅葺き屋根であっただろう形態をしていた。これらが全部茅葺きだったとしたら,どんなに美しかっただろう。
棟の部分には,それぞれ西暦年が刻まれていた。何を表しているのだろう。
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各家には,やはり立派な倉があった。
集落の辻のような場所には,松飾りがしてあった。これも見たことがない習俗である。
やはり北海道から見ると,日本古来の風景が残っている本州は,ほとんど外国のようであり,下手な外国を歩くよりはよっぽど刺激的である。