旧国道である県道37号線を歩き,大船渡市に入る。
大船渡湾を望む。沿岸部は津波の被害を受けているのだろうが,大船渡市に入るとなんとなく雰囲気が明るくなったように感じた。
陸前高田と同じく,住宅は軒並み立派だ。
仮設の集合店舗。1棟に4店舗が入居している。
大船渡漁港。
跡形もなくなった細浦駅前。
ただいまの時刻,11時38分。大船渡12時23分のバスに乗る予定なので,この辺で時間切れである。
陸前高田から大船渡まで,旧道を通って約20km。6時間を確保してあったので余裕で間に合うと思っていたが,途中でだいぶん道草を食ってしまって,行程の半分近くを残してしまった。
ハイヤーに乗る予定などなかったので番号を控えていなかったが,慣れない携帯電話で検索してみると,大船渡市内で何件かハイヤー業者が見つかった。もしかすると津波で廃業しているかもしれず,元旦でもあり,恐る恐る電話をしてみると,何の問題もなくつながった。細岡駅まで来てもらう。20分くらいかかるとのこと。
ハイヤーが来るまで,また少し歩いた。船には松飾りをした大漁旗。ウミネコの声や,神楽の音も遠くから聞こえてきて,映画の世界に入り込んだようであった。
漁港の施設も被害を受けたまま取り残されていた。
15分ほどでハイヤーが来てくれた。
NHKの昼のニュースでは,一本松の初日の出のことが報道されていた。
権現舞の人たち。
理容店だけではなく,美容室も復活していた。
大船渡駅付近の途切れた線路。
陸前高田の場合,個人が頑張って仮設店舗を立ち上げている感じだったが,大船渡では共同で仮設店舗を構えている事例が目立った。
太平洋セメントという大企業が立地する大船渡と,大きな産業のない陸前高田では町の雰囲気が随分違う。大船渡は町の中心部が被災を免れたということもあるだろうが,復興がかなり進んでいるようである。しかし,どちらが住みよい街なのかという判断は,簡単にできるものではないと思う。
大船渡線の終点・盛駅。しばらくぶりに見た無傷の駅舎に,ほっとして涙が出てくる思いがした。
JRは運休しているが,駅の窓口は営業していた。
貨物線の岩手開発鉄道は11月7日に運転を再開している。
JR釜石線は復旧しているので,このバスで遠野まで行って,JRに乗り継ぐ予定である。
大船渡市日頃市付近 | 住田町世田米付近 | 住田町上有住付近 |
途中,各集落で権現舞や獅子舞の人たちを見た。
住田町の中心,世田米市街地。かつて遠野と陸前高田を結んだ国鉄バス遠野本線の世田米駅があった。現在でも陸前高田からバスで盛岡に行く場合は,世田米で乗り換えとなる。住田町は森林・林業日本一の町を名乗っている。今回の災害でも,仮設住宅の供給など復興に際して大きな役割を果たしているという。