社務所の前から,旧道らしい道が延びていた。
そういえば,地図によると国道はわずかに300mほどしか歩かなくてよいはずなのだが,来たときは1kmくらい歩いた。国道の山側に旧道があるはずなのだ。
この趣はたしかに旧道である。
地図に載っている道に違いなかったが,廃道になっているらしかった。これは来るときに気が付かなかったはずだ。
道はしっかりしているが,木の枝が散乱し,おどろおどろしい。
しかしその道も徐々に跡形が消えてきた。
ますます道は険しくなり,這うようにして進んだ。念願の神社に参拝した心地よい汗が,みるみる脂汗に変わった。
そして出た先は,先ほど通った廃棚田だった。
これでもう大丈夫と思ったら,道に降りる場所が見つからなくて難儀した。あとで落ち着いてみれば,降りる道はあったのだが,あせって石垣から飛び降りると,濡れた路面につるっと足を滑らせて転びそうになった。
帰りは湖側の集落を通ってみる。
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古く立派な家が並んでいたが,元旦ももう10時を過ぎたというのに,まったく人気がない。
正月飾りなども多くの家ではされていなかった。風光明媚なこの地も,過疎化は深刻なようである。
乙女ヶ池を渡って駅に戻る。古代以来,戦乱の舞台となるなど,歴史ある琵琶湖の内湖である。
8両でやってきた新快速は,近江今津で4両を切り離した。
まだ琵琶湖岸を走る区間だが,近江今津付近から雪景色となった。
敦賀到着。
金沢まで普通列車乗り継ぎで向かう予定だったが,けっこう混んでいたので,特急に乗って山中温泉でゆっくりすることにした。
不思議に日本海側に出ると雪がなくなった。