ちほく高原鉄道ふるさと銀河線

(廃止)置戸 おけと 有人駅
常呂郡置戸町字置戸
明治44年9月25日開業
標高222m  402人
2線(対向式)
池田より109.4キロ
小利別より15.9キロ
2002.3.17下車

●小利別→置戸の車窓

小利別までは勾配10‰未満の緩やかな坂で上ってきたが,ここからいよいよ本格的な峠越えになる。本格的と入ってもいちばんきつくて20‰,それでトンネルもないのだから優れた線形だ。急勾配急曲線の北見峠を避けて,銀河線経由でオホーツクへの特急を通したいという話もわかる。
人家はまったくなくなり険しい谷を行く。列車のスピードは上がらず,そろりそろりと進んでいく。利別川はもう川というよりも沢で,あと1kmか2km遡れば沢も途絶えてしまう本当の源流部である。こんなに下流から上流まで車窓から追うことができる川も珍しい。
右手には山をぐるりと取り巻く形で日産自動車陸別試験場のテストコースがあるが,列車からは見えない。
峠に近づくと視界が開け,白樺が目立つまさに「高原」といった雰囲気になる。岩手・山田線の区界高原を思い起こさせる。国境にはかつて釧北(せんぽく)信号場があった(右写真)。旧国の釧路国と北見国の頭文字をとったものだが,現在では池北峠と呼ばれている。
峠を越えると20‰勾配で置戸まで約10kmの山道を下る。カープもきつくて半径400mだから緩いものだ。線路沿いには清らかな渓流が流れ,林は針広混交林でさわやか。大自然とはいかないまでも,窓を開けてきれいな空気を吸い込みたい。
置戸駅に着く直前,常呂川を渡る。北見までおおむね常呂川に沿う銀河線だが,川を渡るのはこれが最後。上流のほうを振り向けば,谷間の向こうに東大雪の山が連なり,川沿いの林道を遡れば勝北峠を越えて,はるか十勝三股へと至る。

●置戸駅

1996年11月に約7億円をかけて建設された新しい駅舎,「おけとコミュニティーホールぽっぽ」がオープンした。銀河線の駅の中では最も豪華で,賑わいもあるように思われる。しかし銀河線の赤字額が毎年約4億円だというから,7億円の建設費をちほく高原鉄道の経営に回せば銀河線の寿命もあと1年や2年は延びるという意見も当たってはいる。
置戸は常呂川の谷間に細長く連なる市街地。林業で栄えた町だが,鉄道建設前は常呂川の流送を利用するにしても冬期流氷に閉ざされる網走は港が整備されておらず,木材を出荷するすべがなかった。その意味で鉄道開通の影響は大きかった。置戸市街の貯木場から88kmに及ぶ森林鉄道が敷かれ,森林開発が一気に進んだ
現在では木工芸の「オケクラフト」や,人間が丸太を引く「人間ばんば」で知られている。

駅前風景 駅舎内部。高校生の自習などに利用されている。

●見どころ

□オケクラフトセンター森林工芸館

徒歩5分。駅裏,陸別寄り。良質の木工芸品を購入できる。

■リンク オケクラフトセンター森林工芸館

□勝山温泉 ゆぅゆ

おすすめの温泉。バスで19分,1日5往復。豪華な日帰り公共温泉施設。平成6年開業。露天岩風呂他,充実の大浴場。H11新たにハッカ風呂設置。夏には浴場や休憩室から広大なひまわり畑を望むことができる。レストランあり。タオル,シャンプー,シェービングクリリーム,整髪量,何でも揃っている。お客が少なく,立派な施設がもったいない気もするが,源泉が豊富なためお金はそれほどかかっていないらしい。特典つきのスタンプカードを発行している。(1999.10入浴)

日帰入浴1000-2100 無休 500円

小利別 北海道駅前観光案内所 豊住