日高本線

勇払 ( ゆうふつ )

  • 所在地:苫小牧市字勇払
  • 開業日:1913(大正2)年10月1日開業
  • 標高:4m
  • 配線:単線
  • 路程:苫小牧より13.1キロ
  • 窓口:無人駅
  • 乗降客数:54人(2014-2018年平均),578人(1983年)
  • 最終乗降日:2000.8.2下車

●苫小牧→勇払の車窓

橋上駅舎の下にあるホームから出発する。かつては苫小牧駅を出る間もなく右に大きく曲がり海岸線に出ていたが,苫小牧港(西港)建設に伴い,1962(昭和37)年に現在の内陸回りの線路に付け替えられている。

市街地を抜けると広大な苫小牧貨物駅の構内が右に過ぎていく。貨物列車は日高本線の線路と交差して貨物駅に入っていく。室蘭本線は次の沼ノ端駅まで日本最長の直線区間となっており,ここでは日高本線も加わり3本の線路がどこまでもまっすぐ続く。苫小牧駅から約7km走り,沼ノ端駅があと2kmに迫ってきたところで,ようやく右にカーブを切って,日高路へ針路をとる。右に日本製紙の工場の高い煙突が見えてくると勇払に到着する。

●勇払駅

重厚なホーム,広々とした構内,そして廃墟のようなコンクリートブロック造の駅舎が印象深い。駅周辺は住宅街で,鉄道の利用者も都会的である。

日高本線の前身の苫小牧軽便鉄道時代からの駅で,苫小牧港建設に伴う線路付け替え時に,位置が500mほど北西に移動している。。駅舎はその際に建てられたものだが,窓などは板でふさがれている。ホームは4両分の長さがあり,先のほうには「タシカニ」と標語が書かれた足型が残っている。ここに立って貨物列車で賑わっていたころの風景を想像してみたい。

勇払には1800年に八王子千人同心が移住,明治6(1873)年北海道の三角測量の基点が置かれたことでも知られる。1943(昭和18)年,大日本再生製紙勇払工場操業開始,1945(昭和20)年国策パルプとなり,大半が国策関係者からなる市街地が駅周辺に形成された。1972(昭和47)年山陽国策パルプ,1993年日本製紙と社名を変更し,新聞用紙などが生産されていたが,2020年1月で稼働を終えた。

●見どころ

□勇武津資料館

駅から10分。1973(昭和48)年に開基100年を記念して史跡公園を整備,2001年に資料館ができた。18世紀末より蝦夷地には異国船の接近が相次ぎ,1799年幕府は東蝦夷地の幕領化を決定,1800年八王子千人同心が勇払に入地した。しかし,多数の病死者を出し4年目で開拓を断念。公園には蝦夷地開拓移住隊士の墓や開拓使三角測量勇払基点がある。

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