日高本線
浜厚真
- 所在地:勇払郡厚真町字浜厚真
- 開業日:1913(大正2)年10月1日開業
- 標高:5m
- 配線:単線
- 路程:苫小牧より22.7キロ 勇払より9.6キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:37人(2014-2018年平均),18人(1983年)
- 最終乗降日:2006.11.29下車
●勇払→浜厚真の車窓
勇払から海の近くを走る。このあたりは苫東(とまとう)と呼ばれる産業地域の一角で,茫漠とした原野がどこまでも続いている。苫東はかつて首都機能移転先の候補地になったこともあり,新千歳空港に近い臨空地域には工場が進出しているが,海側は大半が空き地となっている。明治以前は大森林地帯で,パルプの原料などとして皆伐された跡が現在の景色だという。
途中右手に苫東厚真発電所,左手に石油備蓄基地を遠望する。厚真発電所は北海道の主力をなす火力発電所で,2018年の北海道胆振東部地震では大きな被害を受け,2日間にわたる道内のブラックアウトの引き金となった。
右手に沿っている道は旧国道235号で,苫東開発により道路が切り替えられた。現在は鉄道だけが取り残されたように感じる。
●浜厚真駅
もとは日高路に通じる街道沿いの漁村で,学校もあった。いまは数件の人家があるのみ。周辺の広々とした道路は交通量が少なく,歩くのも怖ろしいほど荒涼としている。その中で,駅だけがほっとできる場所である。
かつての交換駅。現在は厚真町唯一の鉄道駅となっているが,かつて厚真町には室蘭本線早来駅から早来鉄道が通じていたほか(1951(昭和26)年廃止),沼ノ端から日高本線に並行して北海道鉄道が敷設され,浜厚真駅の北4kmには上厚真駅があった(1943(昭和18)年廃止)。
●見どころ
秋田,新潟,敦賀と結ぶ新日本海フェリーが発着する,苫小牧東港フェリーターミナル(周文埠頭)は駅から1.7km。なお,フェリーの発着に合わせてフェリーターミナルとJR千歳線南千歳駅を結ぶバスが運行されている。