留萌本線
秩父別
- 住所:雨竜郡秩父別町26区
- 開業日:1910(明治43)年11月23日開業
- 標高:48m
- 配線:単線
- 路程:深川より8.8キロ 北一已より5.0キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:97人(2014-2018年平均),302人(1983年)
- 最終乗降日:2008.9.14下車
●北一已→秩父別の車窓
右手は丘が迫って眺めは良くない。左手からは高規格幹線道路の深川留萌自動車道がだんだん近づいてきて,ついには頭上を通り過ぎる。盛り土された道路が右にまわってくれたおかげで左手には遮るものがなくなり,田園風景が見事だ。屯田兵村は土質や水利に秀でた一等地に置かれており,現在もほとんど転作されることなく一面に水田が広がっている。左に「秩父別温泉ゆうゆ」の建物が見えてくると,まもなく秩父別に到着する。
●秩父別駅
1954(昭和29)年まで「筑紫(ちくし)駅」を名乗っていた。筑紫も秩父別もアイヌ語のチクシペツ(我ら通る川)に由来する。駅舎は1934(昭和9)年築の木造で荒廃気味だったが,近年外装が新しくなった。
秩父別町は人口2,000人台の小さな町で,いまも列車は高校生の重要な通学手段となっている。2007年5月10日,朝の深川行き普通列車で高校生が列車に乗り切れず積み残しをしたまま発車したことが大きく報道され,全国的に話題となった。このとき使われていたのは,新幹線のおさがりの座席を無理やり取り付けた,人がすれ違う隙間もないような車両で,起こるべくして起こった悲惨な事故だった。その実態を知らずに,高校生に責任を押し付ける意見が当時多く見られたのは気の毒でならない。この一件のあと,留萌本線では大半をロングシートに改造したキハ54や1+2列シートのキハ150が使用されるようになった。
周辺は見どころが豊富なので,途中下車におすすめしたい駅である。なお,札沼線廃止区間のうち碧水(北竜町)~石狩沼田間はバスが運行されていないため,碧水に行くには沿岸バス・道北バスの留萌旭川線を利用する必要があり,秩父別役場前バス停から乗るのも一つの方法である。
●見どころ
□ふれ愛ゾーン21
駅前すぐ左手の道を500m。以下の施設がある。
▽秩父別温泉 ちっぷ・ゆう&ゆ
市街地にある大きな温泉。いつも賑わっている。
▽開基百年記念塔
螺旋階段を9周して登る。下は見ず恐怖感はない。展望室からの眺めは見渡す限り水田で素晴らしい。塔頂には「鐘のなるまち・ちっぷべつ」の由来となっている国内最大級のオランダ製スウィングベルがあり,1日3回大音響で時を告げている。
▽郷土館
屯田兵村の歴史など展示。
▽庭園(百禄園)
1991年,開基100年で造成。ちっぷ・ゆう&ゆの裏手。
□ローズガーデンちっぷべつ
駅の東北東約1km。1999年7月オープン。深川留萌自動車道の秩父別パーキングエリアからも入園できる立地にある