留萌本線
石狩沼田
- 住所:雨竜郡沼田町字沼田
- 開業日:1910(明治43)年11月23日開業
- 標高:57m
- 配線:単線駅
- 路程:深川より14.4キロ 北秩父別より3.2キロ
- 窓口:簡易委託駅
- 乗降客数:148人(2014-2018年平均),668人(1983年)
- 最終乗降日:2006.8.15乗車
●北秩父別→石狩沼田の車窓
周囲は美しい田園風景だが,引き続き左の車窓は深川留萌自動車道にふさがれたまま走る。右にゆるくカーブすると雨竜川を渡る。この上流に,深川市(旧多度志町)を経て幌加内町がある。国鉄深名線が幌加内に延びたのは昭和に入ってからで,幌加内の約3万haに及ぶ北大演習林から盛んに伐り出された原木は雨竜川の流送で搬送されて,この鉄橋近くで陸揚げされた。
沼田は人口約3,000あまりだが,雨竜郡の中心的都市で駅の手前からなかなかの賑わいを感じて印象に残る。
●石狩沼田駅
沼田の名は沼田喜三郎に由来する。沼田喜三郎は1890(明治27)年,元華族組合雨竜農場の一部約4,000haの貸し下げを受け,富山,石川県下の浄土真宗信徒を募集し開墾をすすめた。駅の開設後は交通の結節点として発展し,昭和に入ると雨竜炭田の開発で1955年頃には2万近い人口を数えた。
石狩川右岸の農村を縦貫する札沼線の終点だったが,新十津川~石狩沼田間は1972(昭和47)年6月18日に廃止となった。札沼線廃止の年に駅舎が建て替えられ,鉄骨造の近代建築になっている。朝から昼過ぎまで駅員がおり,窓口できっぷを販売している。駅構内は広くホームは3本分残るが,現在は1番ホームにしか線路は残っていない。
駅前から深川方面とほろしん温泉方面にバスの便がある。ただし,沿岸バスと道北バスが運行する路線バスの留萌旭川線は沼田を経由しないので注意が必要である。
●見どころ
□本願寺駅逓
駅から4.5km,国道275沿い。1890(明治27)年の建築。駅逓は人馬の往来や通信の便を図るため開拓期に道内各地に置かれたもの。駅逓の建物が現存する数少ない事例で,北海道の有形文化財に指定されている。
□ほろしん温泉
駅前から町営バスで恵比島駅を経て約20分,もと炭鉱があった幌新太刀別川沿いにある。入浴,宿泊可能のほたる館のほか,沼田町化石館,SLクラウス15号の展示がある。クラウス15号は1889(明治22)年ドイツ製で,晩年は明治鉱業昭和鉱業所が使用していたもの。現存する小型蒸気機関車では日本最古だという。
※市街地にあった化石展示館は沼田町化石館として2008年ほろしん温泉に移転した。沼田夜高会館にあったSLクラウス15号も2010年ほろしん温泉に移された。沼田町ふるさと資料館は休館中。