留萌本線
留萌
- 住所:留萌市船場町2丁目
- 開業日:1910(明治43)年11月23日開業
- 標高:15m
- 配線:終着駅(2面2線)
- 路程:深川より50.1キロ 大和田より5.9キロ
- 窓口:みどりの窓口あり
- 乗降客数:129人(2014-2018年平均),2,570人(1983年)
- 最終乗降日:2016.12.4下車
●大和田→留萌の車窓
列車は留萌川の氾濫原北側の山際を走る。国道は留萌川対岸の少し離れたところを通っており,そちらには郊外店が建ち並んでいるはずだ。左に住宅街が見えてくるとまもなく留萌到着。
●留萌駅
2016年12月4日をもって留萌本線の留萌~増毛間が廃止され終着駅となった。駅名の漢字表記は,1997年4月1日に「萌」の字がくさかんむりに月2つの「萠」から現行の字に改められている。
留萌市は江戸期のルヽモッペ場所の中心地で明治後半にニシン漁の最盛期を迎えた。1914(大正3)年に北海道庁の支庁が増毛から移転し,1912(大正11)年からの大留萌建設事業により港湾整備などが行われた。昭和に入ると羽幌,沼田など留萌炭田の石炭積み出し港として賑わったが,1955(昭和30)年頃にはニシンが姿を消し,1970(昭和45)年までに炭鉱も閉山したため斜陽化した。
日本海岸を北上して宗谷本線の幌延駅と結んでいた国鉄羽幌線が1987(昭和62)年3月29日をもって廃止。留萌本線と羽幌線のホームの間は100mほど離れており,その間に何本も敷かれていた線路跡が広大な空き地となっていたが,現在は公園として整備され,往時の面影はなくなりつつある。
1999年にはSLすずらん号が運行を開始して一時期活気を取り戻し,駅弁も復活した。留萌~増毛間が廃止される見通しとなってからは記念乗車に訪れる人たちで賑わった。半世紀に及ぶ斜陽の歴史は,留萌を何とかしようと努力してきた歴史でもあり,地味ながら観光地づくりにも熱心に取り組んでいる。
バスは鉄道線に代わる羽幌・豊富方面,増毛方面のほか,札幌,旭川方面の便も充実している。沿岸バスでは例年「萌えっ子フリーきっぷ」という乗り放題の乗車券を発売しており,これを利用して日本海沿岸を観光しながら北上, JR宗谷本線の幌延駅や豊富駅に乗り継ぐのもおもしろい。なお,バス乗り場が駅から少し離れたところにあるので注意が必要だ。沿岸バスの留萌駅前停留所は駅前信号の右手に,北海道中央バスの留萌ターミナルはそこからまた若干離れた場所にある。
●見どころ
おみやげ処 お勝手屋 萌
観光案内所を兼ねており,駅に降りたらまず立ち寄りたい。かつては駅前すぐにあったが,2002年に駅前まっすぐ200mのところに移転した。
□黄金岬
徒歩25分。かつてニシンの見張り台であった。夕陽は日本一ともいわれ,岩礁を巡る桟橋が整備されている。博物館の海のふるさと館がある。
□石造倉庫群
駅から徒歩10分。港の近くに昭和初期に建てられた倉庫が並ぶ。観光化されることなく倉庫として現役で使用されており,部外者が近づきがたい雰囲気も往時そのまま。
□千望台
駅から3.5km。沿岸バス留萌市内近郊線Aコース「平和台2丁目」から約1.3km。市街地一望,夕日の名所。黄金岬と並ぶ人気スポットで記念碑が多く建つ。レストハウスあり。
□神居岩温泉
駅から3.5km。鉱泉の温泉旅館。
おつかれさまでした。留萌本線の終着駅です。この先廃線となった増毛駅までの区間もよろしければご覧ください。